資産運用手段の一つとしてすっかり定着した「FX」。投資の初心者が始める入門編としてはもちろん、個人投資家として活躍している専業トレーダー利用するケースも多く、一般の雑誌や新聞にも記事が掲載される程の人気がある金融商品です。
その人気の秘密を見ていきましょう 。基本は、安く買い高く売ることで為替差益を狙います。逆方向に動くと損失が生じる点など株式と同じような仕組み。
●GMOクリック証券の為替レート画面
FXは、証拠金(保証金)を取引会社に預けて行う、差金決済による通貨の売買(外国為替取引)のことで、「FX」「通貨証拠金取引」「外国為替保証金取引」などと呼びます。為替レートの変動で生じる差損益やスワップポイントで利益を得ます。
1998年に外国為替及び外国貿易法が改正(FXの歴史)されて以降、多くの会社が手掛けるようになりオンライントレードの普及とともに外貨投資の手段として定着しました。
FXは取引しやすくコストの安い外貨商品
FXが登場するまで、外貨取引の代表として外貨預金・外貨MMFの二つが主に利用されていました。しかし、FXは、外貨預金やMMFよりも取引コスト・利便性の点で圧倒的に優れているために数年で市場が拡大しました。以下にそのメリットをご紹介します。
取引手数料が無料でスプレッドが狭い
外貨預金は、売買時のコストとなる売り相場と買い相場の差(スプレッド)が1円以上、ユーロや豪ドルなど通貨によっては2円以上取られることもあります。ところが、【FXはドル/円で1銭以下】、他通貨のユーロや英ポンドなども約5銭と非常に低い取引コストで外貨を売買できます。
外貨預金よりFXの方が魅力的なのは、取引コストの低さが一番。そして、リアルタイム損益表示による面白さは、射幸心を煽る部分もあり、世界経済や外貨取引のダイナミックさを引き立てる要素。
レバレッジ効果で少額の資金による売買が可能
レバレッジを利用すれば、預けた金額の何倍もの外貨を取引できます。 ただし法律による規制で2011年7月末までのレバレッジは最大50倍、2011年8月以降のレバレッジは最大25倍までにとなりました。
1万通貨を取引するには、通常、約100万円のお金が必要になります。それが、レバレッジ25倍だと同じ1万通貨の取引に対して約4万円の証拠金でOK。資金効率の良さから若い人・初心者でも参加可能なのがFXのメリット。
差金決済 と24時間取引
株式現物とは異なり、差金決済のために、同一通貨を一日に何回でも取引できます。 ゆえにデイトレードやスキャルピングなどの短期売買を行う専業トレーダーの方が増えました。
また、24時間、いつでも取引できるため、朝・昼・夜・いつでも売買や注文ができます。サラリーマンで日中は参加できない方も夜に売買できることで、一部の資産家中心だった投資の裾野を広げることにも貢献。
スワップポイント=金利差収益を貰える
FXは通貨同士の金利差をスワップポイントとして支払を行います。高金利通貨を買い低金利通貨を買えば、その金利差をスワップポイントとして受け取ることができます。
金利の高い豪ドルやNZドルを買えば、毎日、スワップポイントを貰えるので中長期投資型の資産運用を考えている方にも人気。
売買の自由度が高い。
外貨預金は、外貨を買ってその後買った外貨を売る一方通行の取引しかできません。FXでは、外貨を買うことはもちろん、売りからスタートして、一定期間後に買い戻すことも可能。これにより、円安局面だけでなく、円高局面でも利益を狙うことやヘッジ(保険目的)ができます。
また、日本円を証拠金に、「米ドル(USD)を売ってユーロ(EUR)を買う」といった取引も可能ですから通貨選択の幅が広がります。もし、分かりにくい場合、デモトレードで仮想売買を行ってみると簡単に理解できます。
デモトレードで売買や為替相場の動きに慣れておくことをおすすめします。きちんとFXや為替相場の動きを勉強しないと損失を出して撤退することになるだけ!
FXの法律による規制について
FXは金融商品取引法の元に事業が運営されており、主な規制や義務は以下の通りです。
- FX会社の登録
- 自己資本規制比率の制定
- 顧客資産の全額信託保全の義務化
- レバレッジ規制
一般的に証券・銀行に比べてなじみの薄いFXですが、規制強化が年々図られ、業者の事業運営を金融当局が監視を行うことで投資家保護が行われています。
相場自体は、リスクのあるもの・・・リスクがなければリターンもなし!取引業者のリスクは極力抑えたいので規制があることは個人投資家にとっては歓迎すべきことですよね。
トレードスタイル:差損益狙いかスワップポイント狙いか
FXを行う目的は、為替差益によるキャピタルゲイン獲得・リスクヘッジなどがあげられます。なかでも多くのユーザーが目的とするのが、スワップポイント・為替差益の二本柱。
スワップポイントを狙うスタイル
二国間の金利差相当分を得られるスワップポイント獲得を狙う方法
現在の金利差、将来的な金利動向、長期的な為替動向をファンダメンタル・テクニカルから確認し、長期的視野に立った売買を行います。
差損益重視スタイル
テクニカル分析やファンダメンタル分析を利用しテクニカル分析やファンダメンタル上でチャンスと判断した際に仕掛けていき為替変動による差損益を狙うスタイル
FXは上手く利用すれば人生を豊かに暮らす大きな武器となります。 また、従来の資産運用手段の預金・株式・外貨預金等と異なる特徴がありますので、使い分けていきましょう
FXについての各種データ
- 矢野経済研究所:FX(外国為替証拠金取引)の動向調査結果 2013
- FOREXPRESS:国内データ
- フォレックスマグネイト日本版:各国FX会社動向
ここ十年で最も成長した金融商品の一つに数えられます。楽天やサイバーエージェント・GMOグループをはじめ大手インターネット企業のほとんどはFXを事業として運営した経験を持つか現在もサービス提供を行っています。