外国為替証拠金取引(FXトレード)のファンダメンタルズ分析について難しい・不可能ということをしばしば聞きます。テクニカル分析と並んで重要な分析手法なのに、ファンダメンタルズ分析を利用しないFXトレーダーもたくさんいます。
システムトレードによるプログラム売買(MT4やシストレ24)などはその典型ですね。私は、FX初心者の方にもファンダメンタルズ分析を勉強してマスターしていただきたいと思っています。
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ファンダメンタルズ分析って何?
ファンダメンタルズ分析とは、経済の基本を分析し、 将来の為替の動向を予測する分析方法です。
株式投資だと、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などで、株価の割安割高を計算する方法や決算書を読み解く方法が確立されています。ところが、FXには、これだというはっきりとしたファンダメンタルズ分析手法がありませんし、会社の決算にあたる各国の経済指標がインフレ・製造業・雇用統計と山のように発表されています。
だからこそ、FXのファンダメンタルズ分析は、難しい・不可能と諦めてしまう人が出てくるのでしょう。しっかりと勉強すれば勝率・利益ともに上がってくると思います。
- ファンダメンタルズ分析のポイント:マーセル・リンク氏の著書を参考に
- 毎日の経済指標と為替市況チェックに必要な情報サイト
- 経済指標は予想と結果を重視
- 短期トレードにはおすすめしない
- 国債金利の動向
FXのファンダメンタルズ分析が難しい理由
- 経済指標の数が多くてどれを見ればいいか分からない
- 世界中の投資家が参加しており、経済指標の数字が発表前に予想されている
- 同じ経済指標にも前期比・前年比などがある
- 経済指標の数字通り素直に為替相場が動かない
- 市場のテーマ次第で、注目される指標が変化する
といった理由があげられます。また、FXトレードは、DMMFX・SBIFXトレード・GMOクリック証券などを筆頭にスプレッドが狭く手数料が無料なため、非常に低コストで取引ができるという特徴を持ちます。それゆえに、経済指標を事前予想と結果の差に着目した短期売買する人がブログやウェブサイトで情報発信していることが多く、中長期のファンダメンタルズ分析が軽視されている面もあります。
ロンドンFXを執筆している松崎美子さんは、ファンダメンタルズ分析を重視しており、日本のFX投資家は、結果がすぐに出やすいテクイカル分析、そして、スキャルピングを好みすぎと指摘。ファンダメンタルズ分析を食わず嫌いにしておくのはもったないと言い切る程。
●経済指標の例:出典ブルームバーグ
しかし、アベノミクスによる米ドル/円相場の上昇や米国の量的緩和終了~利上げサイクルにおける長期的なドル高傾向などは、テクニカル分析だけを見ていては分かりません。このような長期トレンドを描く時こそがファンダメンタルズ分析の本領です。
短期の動きは、投機的動きで行き過ぎることも多いですし、バブルや行き過ぎによって、ファンダメンタルズ分析以上の動きになることもしばしば。中長期の動きについてはやはり経済指標を含むファンダメンタルズ分析をできないと分からなくなります。
●DMMFXの経済指標画面:日時・通貨・前回・予想・結果、そして重要度も入れてくれています。
中長期的なトレンド分析はファンダメンタルズ分析が強い
アベノミクスは、米国の量的緩和終了(金融正常化)と歩調を合わせた動きでした。日本は量的・質的緩和でお金を大量に流通させ、米国は徐々に米ドルの流通を絞っていく、このトレンドを早めに予想できていれば、大きな利益が取れたことでしょう。
テクニカル分析だけでは、売買ポイントが遅くなってしまいます。
ファンダメンタルズ分析で一番大事なのは金利の動き
為替相場を分析する上で、もっとも大事なのは金利です。確かにたくさんの経済指標がある為替の世界、全ての経済指標を追っかけていると大変ですし予想も不可能に思えてきます。
そこで、為替相場で一番大事なのは金利だと考えてください。今、ちまたで話題のマイナス金利含め金利の動きが通貨の動きに影響します。とことん金利を勉強しておきましょう。
GDPも雇用統計も物価指数も全て金利と為替に連動しているのです。
お金の流れは、金利の低い国から高い国に流れます。そして、リスクの高い局面では、それまでに積み上げられたポジションを決済する動きが出るために、一時的に逆に動いて低金利国に資金が戻ります。FXおよび金融市場でリスクオンオフと呼ぶ現象です。
では、その金利水準を決めているのはどこでしょうか?
その答えは中央銀行です。それではもう一つ質問しましょう。中央銀行はどうやって金利を決めているのでしょうか?
FRBのジャネット・イエレン議長は、この質問にデータ次第と堪えます。
つまり、中央銀行が金利を上げるか下げるか決めるのは「データ(経済指標・為替・株式・不動産価格)次第」。つまりプロの中央銀行家達もと私達FXトレーダーも同じように経済指標を見ているのです。
当サイトでもFXのファンダメンタルズ分析の方法をご紹介していきますので、難しい・不可能と諦めずに、初心者の方はもちろんテクニカル分析派のあなたも勉強してみてください。