為替レートは、銀行向け、企業向け、個人向けと複数の価格が存在。為替取引は、証券取引所の取引と違い、1対1の相対取引中心ですから取引する銀行や会社により価格が異なります。
銀行間取引のインターバンクレート
まず、基本となるのは、銀行同士が取引するインターバンクレート。大手銀行など限られた金融機関に限定された市場が銀行間市場です。そこで取引しているレートがインターバンクレート。
テレビニュースで報道されるレートはこのレート。ただし、決まった一つのレートはありません。あくまでも特定銀行のレートが例として、報道されるだけです。
1ドル:123円50銭-52銭と報道されますね。
- ドルを買いたい銀行の希望価格が123円50銭:ビッド・レート
- ドルを売りたい銀行の希望価格が123円52銭:オファー・レート
という意味。ドルを買いたい銀行はできるだけ安く、売りたい銀行はできるだけ高く、ということを示します。
このビッド・レートやオファー(アスク)・レートは、気配値であり、実際に約定したレートをファームレートと呼ぶ。
顧客向けの為替レート
顧客向け為替レートは、法人向け・FXトレード向け・外貨預金向けの3つに大別できます。法人は各社の企業秘密であり公開する必要性もありませんので調査不可。
- ブルームバーグ主要クロスレート:インターバンク市場
- 外為どっとコム為替レート:FXトレード
- 三菱東京UFJ銀行の外国為替レート:個人向け
大口の法人顧客(大企業向け)
大企業には、財務部の中に外国為替を担当する部署があり、銀行のディーリング部門に近い勢いで売買を繰り返します。バブルのころは本業そっちのけで為替ディーリングを行う会社もチラホラ。
現在は、基本的に実需取引やヘッジを行います。企業と銀行間の契約で為替レートは決まります。当然、企業規模や為替取引量が多いと取引コストは低くなります。
銀行と企業の相対ですから、企業により、為替レートは変わります。
FXトレード向け
当サイトの本命サービスでもあるFX。実は、FX会社が提供しているレートは非常に低コスト。売値と買値の差をスプレッドと呼びますが、縮小サービスを繰り広げた結果、1銭以下が当たり前。
1銭だと、1万米ドル(約120万円)を取引しても実質手数料が【100円!】という低さ。
FX会社の取引レート
左がSBIFXトレード。右がGMOクリック証券の米ドル/円
スプレッドは、それぞれ0.27銭と0.3銭
上の画像でもう一つ、注目して欲しいのが、為替レートが同時刻なのに少し違うこと。株式取引を証券取引所で行うと同時刻同一レートですが、FX含む外国為替は相対取引のため、少しだけレートが異なります。
個人向けのレート:TTSとTTB
外貨預金や外貨引出など一般的な外貨取引を銀行で行う時のレートをご紹介します。
TTM(仲値):午前10時のインターバンクレートを参考に、個人向けの外国為替レートを決めます。基本的に、一日中、同一レートを適用。
この仲値を基準にして、他のレートが決まります。
TTS: 「円」を「外貨」に交換するときのレート=電信売相場
TTB:「外貨」を「円」に交換するときのレート=電信買相場
上記の二つが、金融機関の口座内で通貨を交換する時のレート
実際に、紙幣等の現金を受渡しする場合は下記のレートを利用します。TTS・TTBよりかなりコストが高くなります。
現金売相場:円を外貨の現金に交換するレート。TTS+2円
現金買相場:外貨の現金を円に交換する時のレート。TTB+2円
図解すると以下のような形。
外貨の現金をやり取りするとかなりのコストがかかります。そのため個人が外貨投資をする場合、FXが圧倒的に有利。