2005年の7月に改正金融先物取引法が施行され、FX(外国為替証拠金取引)が、法規制の元に置かれたころは、利益を得やすい時期。参入してくる会社も多く、あらゆる雑誌で特集が組まれるなど大人気。雑誌のスパがFXに特化した円スパを発売、マネー誌のザイが専門誌を出版したのもこの頃。
テレビガイド雑誌までもが広告掲載を依頼してきたことも。
FXトレードで利益を得られた理由は円安トレンド
そのころ、外国為替相場は円安傾向で、かつ日本の低金利に対して海外が高金利。そのため、「外貨買い円売り」のポジションを持っていると高いスワップポイントが得られたことが大きな理由。
ユーロ/円の月足チャート(ライブスターFX)
月足チャートを見ると、2005年1月に130円台だったユーロ/円は、2007年7月に160円台後半に達しています。その後、2008年夏のリーマンショックまで高値安定が続きました。
ドル/円とポンド/円の重ね合わせチャート(ライブスターFX)
ユーロ/円だけでなくポンドやドルも同じ動きです。サブプライムローン危機・リーマンショックまで一貫して円安傾向が続いています。これだけ、はっきりとした円安傾向が続いたことで、外貨買い円売りのポジションを持っていると大きな利益を得ることができました。
日本と外国の金利差
※各年の年始における政策金利の推移
2005年~2008年までは、日本の金利だけが飛びぬけて低く外国は高いことから、金利差がもらえるスワップポイントを外貨買い円売りのポジションを持っていることで得ることができました。
金融危機が起きる前の米国および欧州各国は3%~7%の金利だったのです。その後、金融危機の影響でオーストラリア(豪)を除く各国の金利は、下がったため金利差も得られなくなりました。
スワップポイントの最新比較でも豪ドル/円などを除き、主要通貨ペアではあまりもらえません。
スワップポイントと為替差益による利益
例えば、取引所のくりっく365の、2006年6月1日および6月1か月間のスワップポイントは・・・英ポンド買い円売りのキャリートレードが大ブーム。
●ドル/円:1日あたり153円、6月:4,748円
●ユーロ/円:1日あたり96円、6月:3,241円
●ポンド/円:1日あたり267円、6月:7,902円
●豪ドル/円:1日あたり127円、6月:3,895円
※一万通貨のポジションに対してのスワップポイント(買いポジション)
二国間の金利差により、スワップポイントで大きな利益を得られたのです。
2005年~2007年夏までは、外貨買い円売りのポジションを持つことで、円安進行による為替差益と金利差によるスワップポイントの利益と二つの収益を狙えたいい時期でした。
そのため、何億円の利益を上げた人達が続出して脱税事件としてニュースになっています。一番有名なのは池辺雪子さん、すっかり有名になり、セミナー講師や書籍出版するなどご活躍。
2012年の状況
リーマンショック以降、外国為替相場が円高方向に振れたことから、外貨買いのポジションで利益を得にくくなりました。逆に損失を被る顧客も増えています。
特に2011年~2012年とドル/円相場がレンジ相場となっていました。しかし、2012年の11月に入り円安傾向になっています。
2005年~2007年夏のような利益を得やすい相場環境ではないだけに、情報をしっかりと集めて値ごろ感だけではないトレードが必要です。