米FRBが2017年3月14-15日開催NOFOMCは、予想通り、FF金利を0.25bp引き上げて、0.75-1.00%に利上げを行いました。
そして、年内3回の追加利上げ予想は維持(今回利上げしたので、後2回)したためもあり、米ドル/円相場は大きく下落しました。
FX・為替市場においては、年4回利上げへと踏むこむ可能性も出ていたので、その分だけ下落した格好。
FOMC利上げ後の為替・金融市場の動き
●各通貨ペアの日足チャート:GMOクリック証券のFXネオ 2017年3月16日
米ドル/円は113円台に。ユーロ/ドルはオランダ選挙の結果もあり1.07台。
●金融市場の日足チャート:GMOクリック証券のCFD
利上げスピードの加速懸念が弱まり、貴金属や不動産価格が回復。株価を見る限り、FRBへの信頼度は維持されたまま。
米国債券の方は、買戻しの動きが出ており、利回りは低下。⇒米ドル売り要因の一つ
イエレン議長の会見:ハト派
- 米経済は、過去数か月に予測通りに進んだ
- 企業の設備投資は幾分か改善
- インフレは、今後数年2%前後で安定的に推移。
- 金融政策は利上げ後も緩和的に続ける
- 雇用拡大は堅調
- バランスシートの再投資政策は、利上げが進むまで継続
- 債券再投資の方針は、いずれ変更することについて話し合った
- 年三回の利上げは緩やかなペース
- インフレと雇用目標は達成に近づいている
- インフレ目標の2%は上限ではなく、下回る時も上回る時もある
- 利上げの予測は、中央値から1度ずれても緩やかな利上げである
- 国境調整税が米ドルに与える影響は不明
これまでの状況
FRBは、2%のインフレ目標を達成しても少々のブレは許容する様子がうかがえます。利上げを急ぎ過ぎて景気を冷やせば、巨大なバランスシートを抱えたままで、再び、量的緩和の道を進むリスクを選びたくないでしょう。
もし、急激に景気が過熱すれば、利上げペースを速めればいいだけのことで、年3回を維持しながら、2or4回をちらつかせる形で、市場に準備を促す方針だと思います。
オランダの下院選挙は与党勝利確実で、ユーロ上昇
オランダの下院選挙では、ルッテ首相率いる与党の自由民主党が31議席、反ユーロ・イスラムのウィルダース氏率いる自由党が19議席の見通し。(全150議席)
懸念されていた自由党の躍進はならなかった様子。これを受けて、ユーロ/ドルは大幅に上昇。
ルッテ氏は、オランダはポピュリズムにノーを突きつけたと勝利宣言。
オランダ・フランス・ドイツ・イタリア(?)と欧州選挙は火薬庫です。FXでユーロ/ドルやユーロ/円を売買する場合、各国の選挙戦に注目しておきましょう。