いよいよ2016年3月10日のECB理事会が迫ってきました。12月の理事会では、市場に失望を与えたマリオ・ドラギ総裁は、期待に応えられるのでしょうか?
12月に続き、3月10日も追加緩和の実施が確実視されています。となると中身次第で金融市場を安定・混乱に導くことに。
ECBは2016年3月理事会の追加緩和に踏み切る?
1月21日の理事会では、金融政策を据え置きましたが、ドラギ総裁は記者会見で、原油安や低インフレが強まったことから、3月の追加緩和を示唆しました。
考えられるのは、中銀預金金利の引き下げや資産買取額の増加
- 中銀預金金利を現在のマイナス0.3%から0.4%に引き下げが有力。前回の反省を踏まえるとマイナス0.5%と0.2%の引き下げも考えられる。
- 資産買取額増加は、月間600億ユーロから700億ユーロへの増額が有力
前回、市場予想を裏切ったことで、今回のECB理事会はサプライズの動きに出ないと思いますがどうなるでしょうか?
理事会結果と欧州経済指標の推移
G20でも金融政策だけでは限界があり、財政政策の出動が必要であると、各国は一致しています。また、欧州経済は、指標によってまちまちで回復の兆しが見えている部分もあります。
現在、重要視されているのは、デフレ対策で、インフレ目標2%を各国が達成するように量的緩和やマイナス金利を打ち出して実行中。=リフレ政策。
一方で、量的緩和やマイナス金利で生じる副作用を考えると、デフレ退治をあきらめて受け入れるべきだという考え方も出てきつつあります。現在の中銀がすぐにこの考えを受け入れることは、これまでの全否定になりますので考え難い事実ながら、方針転換リスクとして気に留めておきましょう。
○ユーロ/ドル8時間足チャート:DMMFX
ユーロ/ドルは、2015年12月のECB理事会前まで下落トレンド。ところが、理事会での追加緩和が物足りないと市場に評価されて乱高下した後に上昇傾向へと変化。
コンスタンシオ副総裁は、インフレの回復が遅れると判断すれば、ECBは3月10日の理事会で行動する可能性があるとし、その場合には意図せぬ打撃から銀行を守るよう配慮する考えを示した。ECB副総裁ロイター
ドイツ銀行の経営危機が騒がれたり、日本もマイナス金利で銀行収益悪化が騒がれたりしましたので、銀行収益への配慮も発言。