スリッページは、注文価格と約定価格の差、そして約定率は注文を出した時に約定する確率のことです。
スプレッドが狭くなるとともにスリッページ(注文値と約定値)の差について注目が集まっています。
FXサイトの目次
スリッページとは
スリッページは、すべるという意味の英語で、指定した価格と実際に約定した価格が異なる場合のことと、その価格差のことです。
例えば、ドル/円を79.50で注文した場合に、79.50で成立せずに、79.55や79.48で成立すると、注文価格と成立価格の差である「5」や「2」がスリッページとなります。
成行注文や逆指値注文で注文価格がずれる
元々、成行注文や逆指値注文は、スリッページが起こる注文方法です。
成行注文は、幾らでも良いから買ってくれ(売ってくれ)と注文成立を優先しますし、逆指値注文は、●●円以下になったら売ってくれ(買ってくれ)と指定価格以下(以上)で成行注文となる注文方法です。
ほとんどのFX会社では、成行注文と似ていますが、スリッページの有無を指定できる注文方法が用意されています。もちろん注文の約定率を重視すると成行注文の方が成立しやすくなります。
注文時のスリッページ機能(許容スリップ)
ライブスターFXの新規注文画面
許容スリップ(スリッページ機能)とは
FXでは、現在、表示している価格で売買を行う時には、成行注文やクイック注文などの注文方法を使います。
その場合、スリッページの許容範囲を設定することができます。
上記で、「許容スリップ」と表示してある個所でスリッページの許容範囲を設定でき、許容スリップが「50」の場合、「発注ボタンをクリックした時のレート」から「注文の処理を行う瞬間のレート」が「5銭(Pips)」以内の変動の場合、注文が約定し、「5銭(Pips)」を超える変動があると注文が無効となります。
スリッページが起きやすい時
スリッページは、相場の動きが少ないときには起きにくく、相場が荒れて価格変動が激しいときに起きやすくなります。
地震や戦争・政治的混乱がおきた時、雇用統計などの経済指標の発表時などには、特に起きやすいので注意が必要です。
スリッページと約定力
自分が思った価格で約定せずに、不利な価格で約定することは、ある意味ではコストです。そのため、できるだけスリッページが起きにくい約定率の高いFX会社で取引をすることです。
各FX会社では、約定率など、注文の約定しやすさについて過去データを集計して公表しています。また、約定力をセールスポイントにしているFX会社は、約定力に自信があるはずですので、自身の体験と合わせて選ぶことが重要になってきます。
ただし、集計方法やデータ内容に統一性がないことは今後の課題。
スリッページの注意点
FXは、投資・相場商品の中では、実は、スリッページが起きにくい金融商品です。
それは、通貨という流動性の高い金融商品を扱っているからです。
例えば、あなたが不動産を持っていて、ここの、不動産相場は、坪あたり●万円だから、五千万円で売りたいといっても買ってくれる人がいなければ売れません。流動性が低いとなかなか思いどおりの価格では売れないです。
●相場急変時には、注文が成立しにくい
FXでも、相場が大きく変動している時などは、売りたい人と買いたい人の思惑が一致せずに、売買が成立しにくくなります。
1,000万ドルしか売りたい人がいないのに、5,000万ドルの買い注文があれば、成立するのは、1,000万ドルだけになります。
しかし、FX会社では、企業努力によりできるだけスリッページを出さないようにしています。なぜなら、企業間の競争が激しく、約定しない・スリッページが大きいと、顧客が取引をしてくれません。
そのため、注文は指定通り、成立して当たり前と思いこんでいる投資家も多いのですが、相場が荒れた時などは、スリッページが起きて当たり前と考えている方が安全です。
相場が異様に荒れている時を狙って取引することに対して、警鐘を鳴らす人がいます。確かに相場が荒れている局面は、大きな利益を狙うチャンスです。
しかし、スリッページが大きくなる・そもそも注文が約定しないリスクがあり、相場変動で損をすることよりも、注文成立に対してリスクがあることを覚えておきましょう。
インターネットによるオンライントレードや電子的処理のない時代においては、注文を声や紙・手ぶりや身振りで処理していましたので、スリッページが起こることは当たり前でした。