英中銀(イングランド銀行:BOE)は、政策金利を過去最低の0.25%に引き下げ。2009年以来7年振りの利下げ。
さらなる追加緩和を示唆するなど、金融政策の緩和へと大きな変更を行った。英国のEU離脱問題(ブレグジット)の影響を受けて、カーニー英中銀総裁は、衝撃緩和を重視したと発言。
マイナス金利やヘリマネは考えずも、更なる緩和手段はありとのこと。
日本のFXでも英ポンド/円は人気の通貨。今後、更なる緩和が進めば英ポンドの下落はありえる。
2016年8月4日の英国金融政策決定会合で利下げ&緩和決定
- 英中銀資産買取プログラム規模を3750億ポンドから4350億ポンドに拡大
- 拡大した600億ポンドの国債買い入れを6ヶ月間実施。
- 投資適格級の社債を18ヶ月間で100億ポンド買い入れ
- 最大1000億ポンドの銀行向け資金供給スキーム(TFS)を導入
2016年の経済成長率見通しを2%に維持。2017年は2.3%から0.8%へと大幅引き下げ。
インフレ見通しは、英ポンドの大幅安を受けて修正。2018年・19年は2.4%に上昇を予想。目標の2%への低下に向けて対策を実施する必要がある。
●インフレ率の見通し
出典:世界経済のネタ帳
通貨安で英国のインフレ率は上昇予想
世界的にデフレの中で、英ポンドが安くなったために、英国は2%を越えるインフレ率を予想。英ポンド安はいずれ、英国の競争力をますためにブレグジットで英国の国力が上がれば通貨安競争の勝者になる可能性あり。そうなると、通貨安誘導へのメリットありとして世界政治・経済的に難しくなります。
FXを取引していると分かるように、ある通貨が安くなるということは、他の通貨が高くなるということ。英ポンドやユーロが下がれば、米ドルや日本円が上昇する。
英ポンド/円のチャート:クリックで拡大
GMOクリック証券のFXネオ
8月4日の英ポンド/円の安値は、132.551円、英ポンド/ドルは1.30123
カーニー英中銀総裁の会見要旨
- リスクの兆候が確認されており、今すぐ刺激策を行う根拠がある
- 刺激策は衝撃を弱め、調整を支えて、不透明性の払拭が狙い
- 金融政策によるブレグジット対応が最初の手段として適切
- 欧州諸国との交渉、英国の生産性を巡る計画策定が重要
- 銀行は金利引き下げの効果を顧客にもたらせねばならない
- 英国及び先進国は貯蓄に対するリターンは、今後も低いまま
- マイナス金利は検討していない
- ヘリコプターマネーに利点はなく、我々が実施できる手段は他に多くある
- 刺激策は外国為替相場を対象にしておらず、国内経済の支援を目的とする
- 英ポンド相場の変動がインフレ率に与える影響は議論をしたが、限界がある。
- TFSは、銀行の顧客が利下げ効果を受け取れるようにする目的。利下げから銀行が恩恵も不利益も受けないことを考えて規模を決定。