日本のFXでブラジルレアルを取引できるIG証券。ブラジルは、国としても注目度は高く、2016年夏はいよいよリオ五輪が開幕します。
しかし、ブラジルレアルを扱っているFX会社はほとんどなく、このIG証券位。政策金利は高いものの、流動性・安定性の面でリスクが高く、ブラジル経済が安定しない限り、取扱い会社は増えないでしょう。
取引する場合は、大きく相場が変動するリスク・政治や経済が混乱するリスクなどを考えて少額で取引すべき通貨です。
ブラジルレアル(BRL)のリアルタイムチャート
スワップポイントが高いからと安易に売買せずに、過去の為替レート・ファンダメンタルズ情報を見て取引しましょう。
ブラジルレアル/円(BRL/JPY)と米ドル/ブラジルレアル(USD/BRL)の日足チャート
ブラジルレアルの特徴
BRICsの一つとして、今後の成長を期待されるブラジル。他は、ロシア・インド・中国と人口や資源豊富・教育レベルも高く、大きく成長を期待されていました。
実際、新興国ブーム・米国の量的緩和による資金流入に乗り、どの国も経済成長しましたが、米国の緩和停止から利上げによる資金逆流・原油価格の下落で、経済成長率はダウンしています。
ブラジル・ロシアの経済成長率ダウンは著しい
出典:世界経済のネタ帳
ブラジルは、政策金利が14.25%と非常に高い。2016年7月現在。
その分、インフレ率も高く、2015年のインフレ率は10.67%と政府目標の6.5%を大きく上回っています。ただし、2016年6月の消費者物価指数は8.84%と下落傾向を見せています。
ブラジルレアルのスワップポイントとスプレッド
スワップポイントも高めで1日あたり75~85円辺あたりというところ。もちろんスワップポイントは、金利差その他により変動します。とはいえ、金利が高いだけに、為替相場が変動しない・ブラジルレアル高円安に動けば大きな利益を得られる可能性がある通貨ペア。
FXで大事なスプレッドは、5銭が標準の様子。重要な経済指標や相場が荒れた時には、拡大するリスクがあるということは大事なポイント。デイトレードなど短期売買には向かない通貨ペアだと思います。細かい情報を取るには、現地の新聞やニュースソースに当たらないといけませんしね。
出典:IG証券:取引概要
●ブラジルレアルの月足推移:2011年1月~2016年6月
2011年1月には、50円前後だったブラジルレアルは、基本的に下げトレンドで30円~31円まで下落。2016年に入り横這いモード。現状、2016年2月19日に28円台を割り込んだのが史上最安値。
ブラジルレアルは、財政悪化・インフレによる金融引締め(高金利)による景気悪化・政治混乱で下落が続いています。汚職等が問題になったルセフ大統領は停職となり、テメル副大統領による暫定大統領がスタートしています。
しかし、インフレ率は下がりつつあり、そろそろ底打ちをして、来年の経済成長率はプラスに転化するのではないかとの予想もあり、ブラジルレアルの底打ち感も出てきていますので、FXを利用して少額の売買・ブラジル債券のヘッジに利用してみてもいいのではないでしょうか。
ブラジルレアルに関する関連サイト
- 金融政策:マーケットレポート 三井住友アセットマネジメント
- 経済動向:JETRO
- ブラジル経済カレンダーや経済データ
- ブラジル関連レポート:HS証券
- ブラジル日本商工会議所
FXでブラジルレアルを取引する場合、問題になるのが情報不足。そして、投信や債券系の会社は、ブラジルレアル債券やファンドを売るために、明るい未来(株価上昇・為替上昇)を描くことが多い。必ず複数のニュースソースに当たって裏を取ることを心がけてください。