ペンタゴンチャートは、五角形の図をチャート上に描いて、相場予測をするテクニカル分析ツールの一つ。今回は、そのペンタゴンチャートの使い方を紹介いたします。
なぜ、為替や株式などマーケットの動きが、五角形(ペンタゴン)を描いて上下動するのか明確な答えはありません。
当たる理由は、黄金分割比がFX・株式を売買する投資家の心理を表しているかもと言えるくらい。黄金分割とは、1:1.618などの比率。自然・人工とわず、最も美しいとされてている比率で、不思議とこの比率を金融マーケットは重視します。
もっとも自然科学の専門家には、フィボナッチや黄金分割で相場を的中させるのは難しいと思っている方もたくさんいます。しかし、生物の模様や貝や鹿の渦巻きはらせんによる回転であることも確かであり、人間の損益に対する心理をフィボナッチや黄金分割が示していると思ってもいいと思います。
FXで黄金分割を活用するためには、価格と時間の二つを利用してフィボナッチリトレースメントなどで描きます。
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ペンタゴンチャートの使い方
ペンタゴンチャートは、この価格と時間を一つのツールで判断できる優れた分析ツール。
では、まず、ペンタゴンチャートの実例を見てみましょう。チャート画像はアイネットFXを利用。
●米ドル/円の1時間足チャート:アイネットFX
英国の国民投票でEU離脱派が勝利した時の米ドル/円チャート。怒涛の円高が進んだ時ですが、底値はペンタゴンチャートの辺に接したところ。その後の動きもペンタゴンチャートの辺や点に沿った動きをする事例が多い。
ペンタゴンチャートの法則・特徴
ペンタゴンチャートの解説は、川口一晃氏が日本では最も詳しいと思います。その川口氏が解説している内容を少し紹介します。
最も重要なペンタゴンの法則
- 相場は対角線に沿って動き、点に吸い寄せられる
- 各点で相場の動きが変化する変化日(時間)になる
- 各点に到達できないと、それまでと逆の値動きをする
- 時間の逆行は起きない
- 中心点の上(下)を通過すれば、下(上)には追加されない
- 各辺は、上値抵抗線や下値支持線となる。
ペンタゴンチャートの使い方は、点と線・辺から、相場の行方を読み取ること。価格は、ペンタゴン(五角形)の点を目指して動きます。そして、対角線や辺に沿った動きをしやすい特徴を持ちます。中心点や点を通るときは、それまでのトレンドが変化しやすい変化日(時)。辺は上値抵抗線や支持線になりやすい。対角線がその役割になる時もあります。
時間の逆行と呼ぶペンタゴンが前方ではなく、後方にできてしまう状況に陥ったら、形や大きさが違うことになりますから書き直しましょう。ペンタゴンを20本で書いていたならば、24本にリサイズするなどで過去の値動きとペンタゴンの形が一致する本数を見つけること。
価格の動きに伴い、画面上に描かれるチャートとペンタゴンの形が一致しなくなった場合も、すぐに描きなおしてください。5分足や1分足など短いチャートの場合、価格の変動が激しいために、書き直して分析しなおす方が有利。
●下記はペンタゴンチャートで時間の逆行が起きた例:緑の⇒方向にローソク足が抜けずに、赤い矢印の方向に上昇しました。この場合、ペンタゴンチャートの大きさが小さすぎるため、上手くローソク足がペンタゴン内に収まるように書きなおしてください。
ペンタゴンチャートの描き方
ペンタゴンチャートは、アイネットFXやGMOクリック証券で利用できる分析ツール。実際に描くときには注意しなければいけないことがいくつかあります。
まずは、ペンタゴンチャートの大きさ。五角形の中に足が【20本から35本】程度入るとちょうど良いはず。
日足チャートの場合、20本=約1カ月の動きを表しますからこれを基本にしてください。他にフィボナッチ数の21・34本などがおすすめ。一時間足の場合は1日分の24本がいいでしょう。
過去のチャートから書き始めて、高値や安値がペンタゴンチャートの点や辺・対角線に上手く合致していれば、その後の相場動向を読むのに役立ちます。
ペンタゴンチャートの使い方・実際の読み方
ペンタゴンチャートは、抵抗線や支持線や相場の方向線を判断するのに役立ちます。
相場を読むときは、価格が点に吸い寄せられるという性質から、今後の相場予測において幾つかのシナリオを予想。上昇・下落・横ばいと3つのシナリオパターンを予測します。
価格は、対角線に沿って動きやすいので、前述の特徴をベースに今後の値動きを予想。ちょっと困る点として、これでは、売ればいいのか買えばいいのか分かりませんね。そこで、他のテクニカル分析ツールを併用したり、ファンダメンタルズ分析から相場の方向性を判断することが大切です。
どのシナリオの可能性が高いかをしっかりと分析してからFXトレードを行ってください。
●事例1:米ドル/円の1時間足チャート:アイネットFXのペンタゴンチャート
米ドル/円チャートの例。対角線に沿って下落中で、このまま対角線に沿って、緩やかに下落するシナリオが有力。ただ、更に急激な下落の可能性と横這いの可能性も捨てきれません。
ここは、売りからスタートして、上部の辺が抵抗線となりそう。その上にストップロスを置くのがいいと思います。
オシレーター系テクニカル分析ツールとの併用
RSIやMACD・オシレーター系とペンタゴンチャートを併用する使い方。FXペンタゴンチャートの第一人者「川口一晃」氏は、RSI・MACD・ストキャスティックスとの併用を推奨しています。テクニカル分析に慣れたベテラントレーダーならば、これだけでもいいと思います。
しかし、FXをはじめたばかりの初心者だと、オシレーター系の動きに拘ってしまい、天井や底値での逆張りで大きく負けてしまう可能性が強い方法です。特にRSIやストキャスティクスが買われすぎや売られすぎで、ペンタゴンチャートが抵抗線や支持線にぶつかった後、突き抜けてトレンド転換した場合に大きな損をするのは負けパターンの典型。
相場を分析する時は、トレンド判断を主にオシレーターを従にして、相場を考えないと失敗してしまいます。そこで、トレンド系のテクニカル分析を加えて、トレンド転換での大やられにならないようにしましょう。
一目均衡表や移動平均線をペンタゴンチャートに加えて分析することをおすすめします。
●南アフリカランド/円日足に一目均衡表を設定
こちらのチャートもペンタゴンの上と下で、価格がストップしている個所が多いことが分かりますね。さらに、一目均衡表を設定して、現在のトレンドがどちらに向いているかを確認できるようにして、相場を読む確率を向上させています。
ペンタゴンチャートをFXで利用する場合、アイネットFXが最も使いやすい取引会社です。