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  1. ユーロと欧州
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苦悩するECB理事会:2016年6月の会合は無風も更なる追加緩和を求められそう

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2016年6月のECB理事会は成長率予想とインフレ率を引き上げる。追加緩和は未定。

苦しい経済運営が続いていたECBながら、ほんの少しだけ息をつけるところ。6月23日に待ち構える英国の国民投票でEU残留派が勝利すれば、ユーロに対する短期的リスクが減少します。

中長期については、ユーロが抱える根本的矛盾があるため、なかなか収まらず、ユーロという通貨は常に波乱と隣り合わせだと思います。その分、ボラティリティが高くなり、ユーロはFXトレードに向いている通貨。

そうそう、フランスパリは大洪水でルーブル美術館も休館するなど、経済にも少し悪影響。欧州選手権の無事開催を祈ります。

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2016年6月のECB理事会は成長率とインフレ率を少し修正

6月のECB理事会自体は無風状態。ドラギ総裁の会見自体にも目新しいことはなく、当たり前の内容でした。

成長率予想

  • 2016年:1.6%
  • 2017年:1.7%
  • 2018年:1.7%

3月の成長率予想に比べて、2016年を1.4%に引き上げたのに、2018年を1.8%から1.7%に引き下げ。中長期的にECBも欧州の成長に警戒感を持っている。

インフレ予想

  • 2016年:0.1%から0.2%に修正
  • 2017年:1.3%
  • 2018年:1.6%

原油価格は2016年1月~2月の底値25ドルから50ドル前後まで上昇しているのに、インフレ予想はわずか0.1%しか伸ばしていません。2018年になっても目標とする2%に届かないレベル。

さて、この結果を受けて、ドラギ総裁のECBはどう動くのでしょうか。

ECBは追加緩和をどうする?

まだ、現時点では何ともいえませんが、このまま現状維持では、2%のインフレ目標に届かないのは確実。そして、そこそこ経済が回っていくドイツと苦境にあえぐ周辺諸国という図式は変わらないのではないでしょうか。

伊勢志摩サミット前から、さんざん黒字国ドイツに財政出動を要請するも、財政規律を重視するドイツには変化なしの様子。ギリシャ・イタリアなどが経済的に苦しいのは、ユーロという通貨のありようではなく、放漫財政や国民の労働意欲やイノベーションのせいだというドイツの考え方が変わらないと難しいのではないかと考えます。

コメルツ銀行のエコノミスト、ヨルグ・クラマー氏は、年末にかけて追加緩和を実施すると予想。JPモルガンのグレッグ・フゼシ氏も2017年3月以降の資産買入れ延長を予想。

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コメルツ銀行の首席エコノミスト、ヨルグ・クラマー氏は、見通しが小幅修正にとどまったとして、ECBは年末にかけて追加緩和を実施すると予想。「当初の期限としている2017年3月以降も資産買い入れを継続するとともに、中銀預金金利を一段と引き下げる公算が大きい」と述べた。JPモルガンのエコノミスト、グレッグ・フゼシ氏も「9月までには、2017年3月以降も資産買い入れを延長する方針を固めるのに十分な圧力をECBは感じるだろう」と指摘する。弱いインフレ見通しの押し上げに向けた追加緩和の必要性に加え、2017年の早い時期に買い入れを停止すれば好ましくない金融状況の引き締まりを招くとの2点がECBを後押しするとの見方を示した。ロイター

追加緩和の内容として、ECBが資産買入れ延長を行う可能性は高いでしょう。

中銀預金金利の引き下げは思い切った施策。マイナス金利による副作用を見極めないと実行に移すのは難しいと思います。今後の経済状況を見据えて決断を下すことになります。

それこそ、英国のEU離脱が現実化してくるようなことがあれば、何が起きてもおかしくありません。

ギリシャ政府に対する融資も、今のところは、改革法案が成立しており、順調に進んでいます。

●欧州の実質金利:ドイツの2年国債金利とユーロ圏CPIから計算 2013年1月~

欧州の実質金利

インフレ率が低いままなので実質金利がじりじりと上がってくるかもしれません。ECB理事会は、このままのレベルを維持したまま、経済の急激な回復を目指したいところでしょう。

●ユーロ/ドルの月足チャート:DMMFX

ユーロドル相場

ユーロ/ドルは、このところ、レンジ相場。安値で買い高値で売りをしておけば、利益を得やすい相場が続く。スプレッドも狭いので、ドル/円とともにFX向きの通貨ペア。

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