日足・週足など長期トレンドが向いている方向で取引する方が利益を得られる確率が上がります。前記事で基本的なトレンドラインの考え方を紹介しましたので、実際のトレードに即してお話しします。
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市場の方向性を長期チャートで把握
まず、市場の方向性を長期チャートで把握します。月足から見ていきましょう。
米ドル/円の長期トレンド
●米ドル/円の月足チャート:GMOクリック証券
アベノミクス・東日本大震災以前のドル安円高トレンドは終り、2011年末より円安進行。
この場合は長期の米ドル/円トレンドは上昇傾向=買いポジションを持つのがトレンドに沿ったトレード。
●日足チャート
日足も当然、上昇方向です。ならば売り(ショート)ポジションを持つよりも買いポジションを持つ方が利益を得やすい。
トレンドを把握できれば、長期トレンドの方向が変化するまでは、その方向に沿ったトレードを行う方がベスト。
長期トレンドの確認はどのチャートを見れば良いか
月足が下落推移、日足が上昇トレンドと反対の事もあります。その場合に考える方向性は3つ。
- 月足・週足・日足の3つのチャートでトレンドが揃わないと売買しない
- より長い時間足のチャートの動きを長期トレンドと判断する
- 短期売買を志向している場合、日足チャートを長期トレンドと判断する
この辺りは応用編として、トレーダー自身の考えで決めていく内容です。
実際の売買は短い時間足を利用
さて、月足や日足で長期トレンドを把握できればすぐに売買する。それではもったいない。
外貨預金だと長期のチャートしかない場合もあります。しかし、FXは1時間や30分など短い時間足もありますから利用していきましょう。
●1時間足チャート
長い足でトレンドの方向性を探った後は短い足でポジションを持ちます。トレンドラインに近づいたところが買いポジションを持つチャンス。
長期トレンドは上向きでも価格はジグザクに動きます。買われ過ぎ局面で買いポジションを持つと含み損が生じて損切りしなければいけないことも。そこで、短い時間足で売買ポイントを確認します。
※実際にはトレンドラインだけでなくオシレーター系や移動平均線なども利用。
為替相場はトレンドラインに戻る
相場の習性としてトレンドラインから離れすぎるとラインに戻ってくる傾向がある。理由としては上昇した局面は、利益確定売りや市場の行き過ぎが考えられる。
もちろん、トレンドラインをブレイクして逆方向に動くこともありえるが、ブレイクすることを期待したトレードより継続方向のポジションを保有する方が利益幅を伸ばした取引ができる。
利益を得るためのトレンドライン活用方法
長期トレンドが続く場合、ブレイクされるまで買い(売り)続ける。理想は短い時間足を確認して押しや戻りを待って仕掛けるのがベスト
- 角度が急な(勾配が大きい)トレンドラインの信頼性は低い。勾配が緩やかなラインは急なラインより長く続く
- 大きなトレンドを打ち破って反転するには、逆方向へのエネルギーを必要とする
- 見ている時間枠が短いとトレンドの意味は弱まる。5分足チャートは日足チャートに比べるとブレイクや反転が生じやすい
- トレンドラインは長ければ長いほど強い。また、価格ととクロスせずに接する回数が多いほど強い
- ラインは2つ以上の点があれば引ける。そして3つ以上の点を通るラインの方が強い
相場上昇は、売り手よりも買い手の方が多い場合。逆に下がるのは買い手よりも売い手の方が多くなったから。この場合、人数ではなく資金力の多寡が大事。
相場がトレンドラインから離れれば利益確定売りに押され、買い手が減り売り手が増えるため相場はトレンドラインに戻ろうとする。近づくと買い手が増えて売り手が減る。
この繰り返しでジグザクな価格変動が繰り返す。
トレンドラインのブレイク
価格支持線として引いたトレンドラインが明らかにブレイクされた場合、そこで手仕舞いが必要。
- 逆へと方向転換
- それまでのトレンドより緩やかな別のトレンドを形成
- しばらく横這いの動き
ただし、トレンドラインを一瞬だけブレイクした後にまた元のラインに戻る場合もある=ダマシの動き。
パンローリング社の書籍はビギナーに難しいながら、ある程度の経験を積んだトレーダーには参考になります。シュワッガー氏の初心者にも分かる実践チャート入門やマーセル・リンク氏の高勝率トレード学のススメは、トレンドライン活用に役立ちます。