2018年3月20-21日のFOMCは、予想通りにFFレートの誘導目標を1.50-1.75%に引き上げ(25bp)。
FOMC声明文は、ある程度予想通りも、2018年利上げ回数が4回になるのではと予想した筋からのドル売りが出た様子。
2018年3月FOMCの内容
FOMCの声明文には大きな材料はなしも、先行きの見通しは、緩やかな経済活動の拡大を予想。(FRB:FOMC声明文)
- 2018年の利上げ見通しは、3回(後2回)、12月と同じ
- 2019年の利上げ見通しは、3回(12月は2回)
- 将来の金利予想は、19年末:2.9%、20年末:3.4%と12月時点より上昇
FXアナリスト達の感想と今後の予想
ロイターがFX専門家たちの意見を特集しています。
シニア為替トレーダー、MINH TRANG氏:FRBのトーンは長期的にタカ派的。ドルには強気も今年は弱気材料が多し。
グロバルト・インベストメンツのトーマス・マーティン氏:経済活動の拡大ペースが緩やかで利上げ回数の3回は維持。利上げペースは緩やかで株式には良いニュース。
マーク・グラント氏:声明は、米経済成長に楽観的で、株価にはプラス。イエレン路線を継続。
ラッセル・プライス氏:追加刺激策で米経済が過熱するか、FRBは様子見をしている
クレディ・スイス金利戦略グローバル責任者 プラビーン・コラパティ氏:年4回の利上げ実施がベースシナリオと予想する。
ルートホールド・グループ ジム・ポールセン氏:FRBは前向きな景気認識。年4回の利上げ可能性もある
ジョン・ハンコック・インベストメンツ マット・ミスキン氏:パウエル新議長はややタカ派的なトーンでスタート
ウェドブッシュ・セキュリティーズのマネジング・ディレクター スティーブン・マソッカ:3月FOMCに新材料はない。データ次第で4回の利上げはありえるが、パウエル議長は計画を重視するタイプで年3回が妥当。2-2.25%に引き上げた後に様子見すると予想。
パウエルFRB議長の記者会見
パウエル新FRB議長の声明でも新材料はありません。また、内容的には計画通りに進んでいるというトーンが貫かれています。
- 労働市場は堅調で、経済見通しはここ数か月で強まった
- インフレ低迷は、昨年からの通常でない物価下落を反映している。
- 利上げ決定は、プロセスの新たなステップ
- バランスシート縮小は、円滑に進行。プロセス変更の予定はない。
- 失業率低下にかかわらず、インフレの上向き圧力は緩やか
- 利上げに関しては中立的
- 中立金利は極めて低い水準
- 通商政策の変更は見通しに影響しない
- 減税は、企業投資や生産性を押し上げ、サプライサイドの効果を生む
- 金融政策は機能しており、早急な対応は必要ない
- 金融安定の脆弱性は、小幅
- 一部資産価格は歴史的水準と比較して高い
気になるのは、一部資産価格が高いと言っていることくらい。少々の下げは気にしないということかもしれませんね。
◆米ドル/円 GMOクリック証券のFXネオ
利上げ決定にもかかわらず、米ドル/円は、下落。FXで日米金利差は大きく注目されなくなっています。今回のFOMCで年4回の利上げを期待していたトレーダーが、売りを出したという話もあり。