チャートの高値・安値は重要なポイント。ここをブレイクするか否かでポジションをもっている投資家の損益が大きく変わりますので、激しい攻防が繰り広げられます。
為替相場の上昇は、現在レートより高くても欲しいとうニーズがあるから。投資家の売買行動の結果として価格が決まり、その過程が一本一本ローソク足やバーに刻まれるのがチャート。
価格の動きはランダムウォークで予測不可能との考えもあれば、価格は投資家の期待・恐怖・欲望が詰まっており、投資家の心理パターンは今も昔も変化がなく予測できるという両方の考えがあります。
FXトレーダーの方はいかがでしょうか。私は100%ではなくても、ある程度の傾向が出てくると思っています。
FXチャート上で起きる高値安値の攻防戦
FX・株式、全てのトレーダーは、パソコンの発達により簡単にチャートを見ることができるようになりました。昔は手書きの日足チャートしかなかったのに、今は、リアルタイムで価格が反映されたチャートがパソコン上に表示できます。それがオンライントレードの良さ。
つまり、昔よりもチャートを見ているトレーダーが増えているはず。チャートのノウハウには、RSIや一目均衡表といったテクニカル分析とその根底に流れる投資家心理の分析との二つがあります。
●米ドル/円チャート:DMMFX
過去の高値を超えると買い圧力が高まります。
- 高値超えがないと思い、新規売りポジションを持った投資家の損切り
- 高値をブレイクしたことで、新規で買いポジションを持つ投資家の買い
過去の高値の手前は売り圧力が高まります。
- 前に高値で保有していたポジションの戻り売り
- 過去高値がレジスタンスとなると考えた投資家の新規エントリーの売り
時間帯ごとの高値安値
単純に以前の高値安値に注目する以外にも、東京・ロンドン・ニューヨーク各時間帯の高値・安値に注目する短期トレーダーもいます。
NY・ロンドン・東京市場の傾向を生かしてFXトレードを行う方法
- 東京市場:8時~17時
- ロンドン市場:16時~翌2時
- ニューヨーク市場:21時~翌6時
※サマータイムは一時間早い。
FX初心者には難しいと思います。売買自体もスプレッドの狭さを生かしたスキャルピング主体になるでしょうし、慣れてからで十分。
●5分足チャート:DMMFX
緑丸は、2016年4月7日の東京時間:高値安値。
ロンドン勢やNY勢が売買する上で意識するポイントになりやすい。
キリのいい大台での攻防戦
FXは株以上に注文種類が豊富。レバレッジを掛けられることもあって、ポジションを持つとストップロスを置くことが推奨されています。
そのため、以前の高値安値ポイント、そして大台にストップロスが置かれます。
大台=キリのいい110円や105円といった節目の数字
すると、何が起きるかというと、大台も過去の高値安値と同じように買い方・売り方での激しい攻防戦が起きるんです110円を例に出すと、110円を割り込むとポジションを決済するストップロスが大量にある=110円を割り込ませようと売りを仕掛ける投資家と大台をキープできると考える買い方との売買合戦が起きます。
結果的に大台を割り込むと一気に相場が走る可能性が高くなります。上昇時も下落時も同じ。
しかし、大台で怖いのは割った後に、日銀など当局の実弾介入や口先介入。政治・経済上の配慮から守りたい大台水準があった場合、割り込んだところで急激に反発することもあります。
●大台の110円を巡る攻防戦:米ドル/円チャート
DMMFX
4月6日の23時過ぎに110円の大台を割り込んだ後、110.411円まで瞬間的に戻しました。これは日銀の介入やレートチェックを恐れた動き。大台を巡る攻防戦の激しさが分かります。
テクニカル分析のノウハウだけ勉強して投資家心理をおろそかにしていると、チャートのシグナルが出てもすぐに戻るダマシで損失を出すことになってしまうので、優れたFXトレーダーを目指すには両方とも勉強しておきましょう。