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日銀レートチェック:中央銀行が行う介入の一種

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政府及び中央銀行は、為替相場の激しい変動を好まず、時には、市場介入という手段で相場を動かすことがある。もちろん、成功する時もあれば失敗する時もあります。

その中で、実際に行う介入の前に、口先介入やレートチェックで、為替市場に影響を与えて、為替市場を動かすことがあり、短期売買中心のFXトレーダーは注意が必要。

日銀が介入を行う時、日銀自身が市場で売買するのではなく、インターバンクで取引できる銀行に注文を出します。その時に日銀レートチェックも介入手段の一つとして登場。

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日銀レートチェックとは

日銀の介入担当者は、インターバンクの金融機関で売買を行うディーラー達にパイプを持っており、実際の介入時は、懇意にしている銀行で取引を行います。その際に、どこまで情報を市場に漏らすかを打ち合わせておくことで、介入の効果を高めます。

介入したことを隠しておきたい場合もあれば、公表して介入効果を増したい時もあり、日銀が銀行ディーラーに漏らせば、その情報がロイターやブルームバーグ・時事通信の記者たちに伝わり報道されます。

その中で、実際に介入前に日銀や政府関係者がレートチェックを行うことがあります。これは、懇意の銀行に日銀が、現在の為替レートを聞くというもの。仲の良い記者・マスコミに漏らすことも。

そんな情報、いまどき、情報端末があればOK。個人のFXトレーダーのようにFX口座を持っていれば分かります。

それでも、あえて、聞くのは日銀からのメッセージ。

この水準だと、日銀は満足しませんよ。これ以上の動きを見せたら介入や政策発動を行いますよという市場への発信。為替水準自体なのか変動スピードの速さなのかはその時の状況次第。

日銀レートチェックの事例

●米ドル/円30分足チャート:DMMFX

レートチェック時の為替相場

2016年1月20日 18:42 赤く囲んだところがレートチェック。

政府関係者発言「為替市場の動向を注視している」報道を受け、円売り戻しが活発化、ドルは一時117.00円近辺に急反発となるなど円は乱高下商状となっている。

今回は、政府関係者が為替市場の動向を注視という情報が流れて一気に米ドル/円相場がはねました。116円を割り込む動きを見せていたため、黒田日銀の防衛ラインは115円ではないかという情報も流れています。

2012年6月に日銀がレートチェックを実施した時は、円高が急激に進行して77円台だったとき。この時の政府は円高阻止に必死でした。

●米ドル/円週足チャート

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2012年のレート

2012年6月1日にレートチェックを実施。

この時は、77円台からレートチェックで一時的に円安方向に戻した。しかし、その後、改めて円高に動き、本格的な円安相場の到来はアベノミクス実施によって実現。

複数の関係筋によると、政府・日銀がレートチェックを実施したのは、米国で5月の雇用統計が発表された後の1日夜。事前の市場予想を大きく下回る結果を受けて、外為市場でドルが下落するとともに、リスク回避に向けた買いが円に集中。ドルは一時77.65円まで急速に下落して今年2月以来、3カ月半ぶりの円高水準を更新した。しかし、その直後に複数の銀行がレートチェックを受けたことで市場にうわさが広がり、ドルは78円後半まで一気に急騰。その後78円前半へ再び反落したが、急ピッチな円高進行には結果として歯止めがかかった。ロイターレートチェック

2016年3月16日のFOMCで、FRBが世界経済リスクを重く受け止めてハト派に傾いたとして、米ドル/円は円高に動き、日銀のレートチェックが噂されました。

●米ドル/円の30分足チャート:DMMFX

レートチェックの個所

FOMC後から円高の流れ。111円のラインを割りそうになったところで、為替市場に日銀レートチェックの噂=赤く囲ったところ。DMMFXの安値110.667から高値111.99円まで1円以上ドル高円安に上昇するなど乱高下の動き。

楽天FXのスプレッドが15円開くなど(これは後で何らかの対応が必要なレベル)、流動性不足でFX各社は大変だった様子。

 

レートチェックだけでは、為替相場のトレンドを転換させる程の力は持ちません。しかし、市場に介入警戒感を持たせることはできますし、相場の防衛ラインを意識させることもできます。

もっとも、この防衛ラインを破れば、相場は一気に動き出しますので、そこを破るためのトレードも活発化することがあり、変動幅が増すことになります。

FXトレードでは、中央銀行に対して、過信してもいけませんし、馬鹿にしてもダメ。介入の話がでたら、短期的にはその方向に動くことが多いのも事実。中長期はまた別の話。そして、レートチェックがあった為替水準は覚えておき、ポジションを持ちすぎないように整理しておきましょう。

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