FX会社でお客様の注文を処理する方式として、大きく二つに分けられます。
それが、DD方式とNDD方式。
顧客の注文を処理する方法
1.レート提供
FX会社は、インターバンク市場で取引する大手金融機関から、プライスの提供を受けてレートを作成します。
●SBIFXトレードの為替レート
●GMOクリック証券の為替レート
そのため、どの取引会社もほぼ同じ価格をトレーダーに提供します。価格のズレがあると裁定取引の餌食になりますからね。
2.顧客注文の処理方法
FX会社は顧客から受けた注文のリスクヘッジを目的としてカバー取引を契約先銀行と行います。
このカバー取引を行う方式を大きく二つに分類すると、DD(ディーリングデスク)方式とNDD(ノーディーリング)方式に分かれます。
DD(ディーリングデスク)方式
ディーリングデスク方式は、顧客の注文を受けると社内ディーラーが、カバーする(リスクヘッジ)するタイミングを決定します。
マリー(売りと買いの注文を相殺)、ホールド(そのまま保有)、即カバーの判断は人間が行う。
NDD(ノーディーリング)方式
ノーディーリング方式は、ディーラーを介さずに、自動的にカバー&顧客約定を行う方法。
DDとNDDのメリット&デメリット
このDD&NDD方式は、米国FXCM社が広めた名前。
【スポンサーリンク】出典:FXCM
大手金融機関のプライスをミックスし顧客にベストプライスを提供することで、低スプレッドと公平性を提供することがNDD方式のセールスポイント。ちょうど、ロスカット・ストップロス狩りなどがFX業界で問題になっていた時期でした。
ディーラーが介在することで、顧客対応において様々な操作をすることができます。
- 価格をFX会社の都合に合わせて上下させる
- 顧客のストップロスやロスカットを成立させる。100.00円割れにストップロスが溜まっている場合に、100.01や02の価格を動かして100.00円の注文をヒットさせる
- 約定拒否=市場変動時やスキャルピングを行う顧客に対して、注文成立しないようにする
- 価格を再提示するリクォートが頻繁に発生。
- スリッページの発生=注文価格と約定価格に大きなずれが生じる
会社の利益を大きくしようと思えば、上記のような介入を行うことができます。これらが顧客には不利益な問題ですから、NDD方式を採用することで、フェアで公正なFXトレードが行えるというわけ。
とはいえ、DD方式が悪いかというとそんなこともありません。確かにディーラーという人間が介在している以上、このようなことは可能。しかし、注文が何度も弾かれたりストップロス狩りが頻発するとトレーダーは他の会社に取引を移します。スプレッドが狭いなど表面の魅力で口座を開いても、スムーズな取引ができない場合は、ライバル会社で取引すればいいのです。すなわち、悪徳行為を頻繁に働く会社は市場原理で淘汰される可能性があると言えます。
FXトレーダーの防衛策は、ストップロス狩り・約定拒否・リクォートが頻発する会社とは取引しないこと
どちらかというと、海外のFX会社にNDD方式が多く、日本国内の会社はDD方式が主流。日本の低スプレッドは、ディーラーが介在して、顧客注文をマリー・ホールドするなど上手にさばいていることも一つの要因。