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心理的節目の3%直前まで上昇した米10年債利回り。新興国か米国のどちらかが崩れるリスクあり。

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米国債10年物利回りは、2018年4月23日に、2.98%とついに3%直前まで上昇しました。FX・株式投資家の懸念する心理的水準である3%に迫っているため、注目を集めています。

2007年のサブプライムローン危機・リーマンショックに始まる世界金融危機で、中央銀行が押し下げた低金利路線。お金をジャブジャブと供給したため、株式市場に資金が流れこみました。ゆえに、リーマンショック時の水準以上に株価を押し上げることになりました。

しかし、宴はいつか終りを迎えます。中央銀行による低金利時代は、そろそろ終わるときが来るのかもしれません。そして、米株式・新興国通貨のどちらにショックを与えるかでFXの動きも変わるでしょう。

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米10年債利回りが3%を超える日は近い

◆米国債金利

  • 米2年債:2.47%
  • 米10年債:2.96%
  • 米30年債:3.13%
  • ブルームバーグ:2018年4月23日

投資家は、中央銀行による支援に慣れ過ぎており、株価が下落すると中央銀行の介入が入ると思っています。それをオプション取引になぞらえて、バーナンキプットやイエレンプットと呼びます。

JPモルガンの債券ポートフォリオマネージャーのSeamus Mac Gorain氏は、現在の世界経済は、高い利回りを正当化し、10年債利回りが3~3.5%に上昇すると予想しています。CNBC10%の心理的節目

しかし、3%の水準は心理的な水準として重要なレベル。幾多の専門家は、3.0%や3.2%を危険水域として警戒を高め中。

ジェフリー・ガンドラック氏は、金利上昇&ドル安を危険なカクテルと称し、商品市場の上昇を予想しています。

金利が上がると、企業の資金調達コストが上がり、債務の負担が増します。

2013年5月に起きたバーナンキショック、テーパー・タントラムが起きるリスク要因の一つが、長期金利の上昇。バーナンキFRB議長の量的緩和縮小を示唆したことがきっかけ。

2013年5月、新興国市場は恐怖に駆られて萎縮した。米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和縮小の時期がきたと示唆し、いわゆる「テーパー・タントラム」が世界を覆ったからだ。

◆NYダウ、米ドル/円、米10年債金利、Gold

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2013年5月の新興国危機

GMOクリック証券のFXネオ 2018年4月24日

2013年5月以降、バーナンキ議長が始める量的緩和(QE)の終了におびえた市場は、新興国・ゴールドの二つが大きく下落。米株は大きな下落を見せず。

IMFは、低金利環境下で債務増加を警告しており、米国の金利上昇ショックで、新興国から資金が一斉に引き上げられる事態が起きるリスクは抱えたまま。

米中の貿易戦争の影響等で、インフレ率が上昇していけば、米国の金利上昇スピードも早くなり、新興国の受けるダメージは大。ドルペッグ制の国は、米国にあわせて金利を引き上げねばならず、米ドルの金利上昇は、米ドル建ての債務を増やす効果あり。

そして、金利上昇した米国に、新興国から資金が移動すれば、すぐに資金不足に陥るという結果に。

◆経常収支の比較 世界経済のネタ帳 10億米ドル

経常収支の比較

アメリカ・中南米株価:ブルームバーグ

日本の金利は、日銀の金融政策のために上がりません。米国の金利上昇は、ダイレクトに、日米金利差に直結します。4月に入ってから、FXは、日米金利差に素直の動きをしやすい環境にあります。そのため、金利差が3%に近づいた今、米ドル/円は円安に動きやすい環境。

米10年債金利が3%を超えた時に、米株式市場or新興国にショックが起きるかどうか見ておきましょう。ショックが生じると、FXはリスクオフによるポジションカットで、一時的に円高に進む可能性があります。

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