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IMFは、世界の金融システムに3つの脆弱性ありと警告:2018年4月18日付け

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IMF(国際通貨基金)は、短期及び中期で、金融システムへのリスクが高まっていると指摘。

3つの脆弱性が、存在し、第一に、リスク資産の高騰があげられています。世界的なゴルディロックス経済の元で、適正な評価以上に資産価格が高騰しているということ。適正な水準というのもむずかしいところですが。

IMFは、株価は世界的にファンダメンタルズに比べて高くなっており、米国の株価は高すぎると考えている様子。

◆日米株価・原油や米国リートの月足チャート 2018年4月19日

世界的な株価動向

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IMFは、世界的な金融システムのリスクに警戒感

世界金融安定報告:2018年4月18日

世界経済は、引き続き、幅広い分野で勢いがあるものの、金融の安定に対する短期と中期のリスクは高まっている。

2018年2月のVIX指数の急上昇・米国長期金利の上昇による株価下落にも大きな混乱はなかった。貿易政策の緊張は、今後のリスク要因。

短期的には世界的な成長を低金利と低いボラティリティ・安定した財務状況が支えている状態。

しかし、低金利が続く間に、中期的な脆弱性が蓄積している。深刻な悪影響を受けるシナリオでは、今後の3年間で成長がマイナスになる可能性がある。

3つの脆弱性について

  • 資産価格の高すぎる評価
  • 低所得国の新興市場による借入
  • 銀行の米ドル流動性についての不一致

1.資産価格の評価が高すぎる

多くの市場で資産価格が高くなった。リスクの高い債券の発行が増えており、レバレッジドローンは2017年に過去最高を記録。

予想よりも早いインフレ率の上昇は、一部の中央銀行が金融緩和を止めて引締めへと向かうことになる。

金融緩和の停止と財務状況の引締めは、資産価格の急落を引き起こす。

金融市場は混乱し、流動性の問題と財務的なレバレッジ利用の増加で増幅するリスクがある。

すでに、米国のFRBは、利上げに向かっていますし、ECBは年内、日銀もそろそろ出口戦略の議論が出ています。もしも、インフレ率が上昇すれば、予想よりも早い金融緩和の終了が生じて、資産価格が下落するリスクがあると指摘しています。

2.低所得国の脆弱性

新興市場と低所得国は、世界的な金融情勢の変化に直面する可能性がある。

低所得国での債務の持続可能性は低下しており、将来の債務再編の課題となっている

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金融危機は、アジア通貨危機やロシア・メキシコ危機などのように、低所得国や新興国に大きなダメージを与えます。ここしばらくの安定した経済環境の元で、債務の増加と持続可能性が問題化しています。トルコ・南アフリカ・ナイジェリアなど問題のある国はたくさん。

IMFのヴィトール・ガスパール氏による債務のレポートでは、公的債務の増大を懸念しており、景気が好調なうちに削減しなければと指摘。

◆2016年の世界全体の債務残高は、164兆ドルと全世界GDPの225%。

◆債務残高自体は、先進国が大部分。しかし、過去10年間での増加は新興国市場が大半。2007年以降に増加した分は43%が中国。

◆新興市場国の公的債務は、1980年代の債務危機当時の水準。

◆低所得の途上国は、債務の利払い負担が10年で倍増し税収の20%近くに。

◆米国の公的債務は膨らみ、2023年には対GDP比117%になると予想。

3.米国以外の銀行での米ドル問題

世界的な金融危機以降、銀行の回復力は向上している。

非米国の銀行間で構造的な米ドルのミスマッチがある。

米国外の銀行は、米ドルの資金調達を短期的な資金に依存している。

市場にリスクが生じると米ドルを調達する際に問題が生じる可能性がある。

米国の経済力は、相対的に低下しているにもかかわらず、米ドルの力は大きい。決済時に、安定して利用できる通貨は米ドルであり、金融危機時に必要なのも米ドル。

ところが、内向きの米国は、リーマンショック時のように、自国を犠牲にするリスクを負って、金融市場全体を助けるかが不透明。

仮想通貨について

仮想通貨の背後にあるテクノロジー(ブロックチェーンなど)は、金融市場のインフラを効率的にするものがある。

仮想通貨は、詐欺やセキュリティ・運用上の問題に悩まされている。

G4の中央銀行におけるバランスシートでは、現在3%程度の限られた規模であり、財務の安定性は影響を与えていない。

将来は、大きなリスクを背負う可能性がある。

危機回避のために必要な事

中央銀行は、引き続き、金融政策を正常化し、決定を明確に伝達すべき。

景気は回復しているが、投資家や政策立案者は、現在の財務状況が安定していても多くのリスクを取るべきではない。

  • トバイアス・アドリアン IMF 財務相談官、通貨・資本市場部長
  • アンナ・イリーナ IMF 通貨・資本市場部課長
  • ファビオ・ナタルチ IMF 通貨・資本市場部副局長
  • J. Benson Durham IMF 通貨・資本市場部顧問。
  • Randa Elnagar IMF 通信局通信部長。

FX・株式投資家は、レバレッジ・リスク資産をはじめ、ハイリスクは避けよというのがIMFの提言。アナリストやヘッジファンド運用者も、そろそろ米国の高すぎる株価に警戒感を抱いています。バブルはいつか弾けるものの、時期を見極めることは難しいものです。とはいえ、2018~19年にかけて、大変動に見舞われる可能性が高まってきたと思います。

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