2017年2月の米雇用統計は大幅増加。市場の予想も上回りました。FX最大のイベントであり、3月FOMC利上げ前のハードルを見事に乗り越えました。
- 非農業部門雇用者数:23.5万人増加(予想19万人)
- 平均時給:前月比0.2%上昇(予想0.3%)
- 平均時給:前年比2.8%上昇
- 失業率:4.7%
- 労働参加率:63%
トランプ大統領による財政拡大・規制緩和・減税のアメリカファースト路線が、アニマルスピリットを復活させて雇用が大きく伸びています。
これにより3月利上げ確率がさらに高まりました。
ただし、米ドル/円相場は、発表当初こそドル買いに動いたものの、平均時給の伸びが予想を下回ったことを理由に下落。とはいえ、前年比率2.8%上昇はかなりの数字ですけどね。
IBM・ダウ・ケミカル・スプリントなどは続々と雇用計画を発表しています。
3月に入り、急激な利上げ確率の高まりにより、買い進めていたポジションを決済する良いタイミングになったのではないかと見られています。
●米ドル/円の30分足チャート:2017年3月11日
SBIFXトレード。
115.50円近辺まで上昇。115円や115.50円を目標値としていたFX・為替トレーダーが達成感でポジションを利食った感あり。
3月の利上げは、ほぼ確実であり、今後の焦点は、3回利上げ⇒4回利上げなどFRBの方針変更。緩やかな利上げペースを早める可能性があります。
トランプ政権の誕生によるアニマルスピリットが労働市場にここまでの好調さを与えたというのは、今後の欧米各国での選挙や財政政策に影響を与えるのではないでしょうか。
一方、一つ気がかりなニュースがブルームバーグにありました。ニューヨークのワンルーム家賃が下落。ワンルームで約28万円という高さもびっくりですが、今後の金利上昇が不動産市況に悪影響を与える可能性は考えておくべきでしょう。(家賃が高いのはロンドン・香港なども同様)
不動産鑑定のミラー・サミュエルと仲介のダグラス・エリマン・リアル・エステートがまとめた9日付のリポートによると、マンハッタンのワンルーム家賃(中央値)は2500ドル(約28万6850円)と、2015年1月以来の安さ。前年同月比では2.6%の値下がりと、12年にデータの集計を開始して以来最も大幅な下げだった。ブルームバーグ
もう一点、ECBが緩和のターニングポイントを迎えた3月理事会でしたが、そこで、資産買い入れ終了前に利上げを行うという議論が浮上したことで、ユーロ/ドルが高値をつけました。
インフレ率が高まる中、ユーロも緩和終了・利上げ方面へと動いていけば、為替市場はバランスを取れた動きになるでしょう。つまり、ドルの独歩高を避けられます。
もっとも、今のユーロには、政治リスクがあります。FXトレーダーとしては、政治リスクで下げたところを買い、ECBの緩和終了で上げたところを売るのが良いシナリオになるのではと考えています。