2018年1月31日の米FOMCは、おおかたの予想通りに金利は据え置き。しかし、インフレ率が今年上昇するとしており、ややタカ派路線と確認できたことからFXでは米ドルの買いが一時的に強まりました。
これまで。市場の安定に成功してきたイエレン議長からパウエル氏に椅子が渡る中で、現在の想定である年3回から年4回の利上げ回数も視野に入ってきました。
金融政策に変更なしもインフレ率上昇を予想のFOMC
FOMCでは、前回12月から引き続き、労働市場&経済活動の好調ぶりを指摘。インフレ率は目標の2%には達していないものの、これから上昇するだろうと予想。金融政策を引き続き緩和的にすることで、労働市場と2%インフレを支えるとしています。
ロイターでの1月FOMC声明文全文は以下の通り。
経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の状況は力強さを維持すると予測している。前年同月比で見たインフレ率は今年上昇し、中期的には委員会の目標である2%近辺で安定する(to stabilize around the Committee’s 2 percent objective over the medium term)と予測される。fomc声明文
米国の2017年第4QのGDP成長率は、前期比年率で2.6%・前年同期比で2.5%と強い数字。2016年からはじまった景気回復の流れがまだ続いています。個人消費の上昇が強く、今後に待っているトランプ減税そして、トランプインフラ投資がスタートすれば、しばらくは好景気が続くのではないでしょうか。
◆NYダウ。米10年債金利、WTI原油 2018年2月1日
GMOクリック証券のFXネオ
2016年から、いわゆるゴルディロックス経済へと転換して、景気は回復に向かいました。インフレに大きな影響を与える原油価格も65ドルに乗せてきており、こちらの高値キープももう少し続きそうです。原油高はドル安になりやすいので、米金利上昇=即座にドル高とはいいきれません。
FOMCの結果に対する市場関係者のコメント
ソースはロイター
- アルビオン・フィナンシャル・グループのジェイソン・ウェア氏:今回のFOMCは、中立的。
- パフォーマンス・トラストのブライアン・バトル氏:想定内もやや積極的でタカ派的な会合
- リソース・クレジット・インカム・ファンド:FRBはインフレペース加速との認識。2018年の利上げ回数が4回になる可能性も
- グリーンウッド・キャピタル:FRBは緩やかな利上げを実施。三回の利上げだろう
- HSBC証券(ニューヨーク)のケビン・ローガン氏:インフレ予想に自信を深めた。利上げが2回でなく3回行われるだろう
- ロバート・W・ベアード(フロリダ州)のブルース・ビトルズ氏:FRBの3月利上げは織り込み済み。米10年債利回りが3%を下回っていれば、株式市場に問題はない
FRBの姿勢は、緩やかな利上げで変化はありません。FXにとって変化しやすい指標は、米10年債金利そしてECBと日本の金融政策。
◆GMOクリック証券のFXネオ
各通貨の日足チャート ユーロ/ドルの上昇が一旦、止まりました。米ドル高に進み過ぎるとFRBの利上げは困難になります。一方、高すぎるユーロもECBのインフレ率目標・景気回復を阻害しますので、FXのユーロ/ドル相場に注目しましょう。