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安倍首相が伊勢志摩サミットで発したリーマンショック級の経済状況という発言、原油&世界同時株安の1-3月だったら妥当だったかも

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伊勢志摩サミットで安倍首相が発言した、リーマンショック級の経済状況であるとの懸念。特に欧州方面から批判を浴びているようですが、2016年はじめは原油価格の急落・世界同時株安などがあいまって十分危機的な状況でした。また、世界経済の収縮については、経済学者・ヘッジファンド達が懸念を示しており、そもそもの需要不足については、米国のラリー・サマーズ氏(元米国財務長官)を中心に心配している方は非常に多い。

安倍首相及びその周りのブレーンには、新進気鋭型の経済ブレーンが多く、従来の正統派経済学者たちと違う意見を持っている方が多いのではないでしょうか。今回の伊勢志摩サミットでのリーマンショック級との発言は、3月に開催された国際金融経済分析会合でのジョセフ・スティグリッツ教授やポールクルーグマン教授の意見に近いと言えます。

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スティグリッツ教授、現在は危機ではないとしながらも、成長は緩慢で果実は一部のトップ層に偏るとの意見で、ユーロ圏に対しては問題ありという意見。

ただのバランスシート不況ではない。すでに大企業のバランスシートは再構築された。バランスシートやお金の問題ではない。

需要が足りないことが問題。永続的な世界の不均衡が起きており、ユーロ圏が問題を悪化させている。国際金融経済分析会合:マネーアイデア

伊勢志摩サミットでの安倍首相発言:リーマンショック級

安倍首相は、今回、政局も踏まえて消費税増税延期を決め、その理由づけとしてリーマンショック級を印象付けたかったのでしょう。

しかし、世界経済は安定しており、経済危機ではないというオランド仏大統領の発言だけで、安倍首相を批判するのも当たらないと思います。

幸い、原油は安くなりすぎたことで、上昇し、ドル高も一時的に是正されているために、小康状態になっているだけとの意見も根強い。米国が利上げした後に、再び、経済は落ち込みを見せるのではないかと警戒意識は持っておいてください。

それこそ、日本や米国以上に欧州の方が、格差問題・ドイツと周辺国の問題・ユーロ安でドイツは恩恵・周辺は苦しむという課題・難民問題・英国のEU離脱と問題山積み。安倍首相も伊勢志摩サミットでドイツに財政出動を要請する使命がありました。

●DMMCFDチャート:原油価格の月足 2016年5月27日

原油価格

最初の赤枠がリーマンショック時。次の赤枠が現在。2016年1月には1バレル26ドルとリーマンショック以上の安値に下落。今は、最安値から切り返して50ドル前後と倍位に上昇。年初は、米国も経済指標の悪化が顕著で利上げなんてとんでもないというムードに満ちていました。

1月から2月頃にサミットが行われていれば、安倍首相のリーマンショック級という発言を欧州側も否定しなかったでしょう。

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●米ドル/円、ユーロ/ドルの週足チャート:2016年5月30日

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FXネオ:GMOクリック証券

為替相場でも、ドル高が是正されています。特に米ドル/円はアベノミクスで円安に進んだ後の調整でドル安円高が進みました。

世界貿易やGDPの伸びは弱く、量的緩和バブル崩壊の心配あり

世界の経済成長率や貿易額は伸び率が鈍化。2014年の世界貿易は前年比0.8%増の18兆7,461億ドルと小幅な伸び。

世界貿易の推移

出典:ジェトロ

安倍晋三首相は27日午後、閉幕に当たって記者会見し、主要7カ国(G7)が世界経済について「強い危機感を共有した」と表明した。冒頭発言では「リーマン・ショック」との言葉を繰り返し使ったうえで「最も懸念されることは世界経済の収縮」と強調し、世界経済がはらむリスクについて力説した。

しかし、首脳宣言では「新たな危機に陥ることを回避する」との認識にとどまり、現在は危機的状況ではないとの見方で一致。オランド仏大統領も、サミット終了後の記者会見で「現在は経済危機ではない」と明言した。

ロイター

安倍首相のサミット発言、リーマンショック級というのもFXや株式投資の世界では、必ずしも大げさとは言い切れないんですけどね。経済危機を回避するために、中央銀行が取った政策【量的緩和バブル】が破裂すれば、リーマンショック以上の経済危機に落ち込むかもしれません。もちろん、経済危機がこの世の終わりになるわけでもなく、バブル崩壊と誕生を繰り返しながら経済は進んでいきます。

経済成長を前提にして、計画された資本主義社会の中で、GDP・物価・貿易などの伸び率が低いと、経済活動は息苦しさを感じます。そこで量的緩和で中央銀行が大量にマネーを供給してみたものの、そもそもの需要がなく投資が増えない。成長するのは株価と不動産だけというのが、現在社会。

日本の安倍晋三首相の“デマ発言”が世界の失笑を買っている。たとえば、フランスの高級紙「ル・モンド」は、26日夕方、こんな見出しの記事を掲載した。「安倍晋三の無根拠なお騒がせ発言がG7を仰天させた」安倍首相のサミット発言

首相や大統領が気軽に危機という言葉を使うと、本当に危機を招きかねないリスクがありますからね。

しかし、デマ発言や世界の失笑を買っているとまで言うのは言い過ぎな気がしないでもありません。

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