続々とスイス・フランショックによるFXブローカーや銀行の損失情報が入ってきました。アルパリUKの破綻他にっいて入ってきている情報をまとめました。
大手FXブローカーや銀行の状態
- ドイツ銀行:1億5000万ドル(約176億円)
- バークレイズ銀行:1億ドル未満
- アルパリUK:破綻
- グローバル・ブローカーズ・NZ:破綻
- FXCM:約2億2,500万ドルの不足(約261億円)
- IGグループ:3,000万ポンドの損失(約53億円)
- ゲイン・キャピタル社:問題ないと声明
- Plus500社:問題ないと声明
- マネックスグループ:未回収金1億6,000万円。日本国内の顧客分は百数十万円とのこと。
今週末を超えて来週にも様々なニュースが入ってくるでしょう。
Plus500社は「本件が当社の財務や取引ポジションに重大な影響を与えていない事を確認しました」と述べた。また、スイスフランリスクを効果的に管理した同社のリスク管理ポリシーとプロセスの堅牢性により、15日は実際同社にとって利益であったという。
ゲイン・キャピタル社は「当社はこの度の事象が、当社の財務に重大な悪影響を起こしていないもの見込んでいます」とコメントした。同社は昨年9月にEUR/CHFの証拠金を引き上げており、これが結果的にスイスフランにおける同社のリスクを軽減させる事に繋がったのは特記すべき事項である。フォレックスマグネイト
ゲインキャピタルは、顧客にスイス・フランをショートしないように勧め、レバレッジ比率を引き下げるなどで対処していた模様。Markethack情報
FXCMは、米投資銀行ジェフリーズの親会社であるリューカディア・ナショナルから3億ドルの融資を受けることを16日に明らかに。FXCMのドリュー・ニブ最高経営責任者(CEO)は「リューカディアの支援は、当社の顧客や株主などにとり、最善の選択肢」と話す。
顧客によって大量なスイスフラン売りが行われ、STPブローカーであるFXCM社は、カウンターパーティーに対応するポジションを保有していた。ユーロ/スイスフランと米ドル/スイスフランの下落時、ユーロ/スイスフランのストップ注文は10%以上も低い約1.0400付近で実行され、買いポジションを保有する顧客は多大な損失を被った。また高レバレッジで取引をしていた多くの顧客の口座がマイナスになった。 フォレックスマグネイト
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欧米のFXブローカーや銀行にとってかなりのダメージ。バークレイズやUBSはFXブローカーに対しての注文執行を疑問視されている向きも。もちろん他の銀行も同様であろうと考えられる。
さらに、銀行は、取引レートが誤っている可能性ありとの警告をしたとの話も出ていることから、最終的なステートメントで約定チェックをした時には甚大な被害が出ているFXブローカーもあるだろうと噂されている。
FX会社は、ポジションを持って為替相場を取引する投資家や投機家ではなく、顧客の取引を仲介するブローカー的存在になっていた。そのためにリスクヘッジをしっかりしていたはずだった。そのセーフティーネットが機能しなかった。いわゆる想定外の出来事=ブラック・スワンが起きたというとこ。
破綻がアルパリUKやグローバルブローカーズだけで終わるとは思えない。CFTC公表のIMM通貨先物はスイスフランを大幅売り越し。ショートの規模はなんと約35億ドル!
米商品先物取引委員会(CFTC)が9日発表したデータによると、スイスフランに対する取組高は2万4171枚の売り越しとなり、売り越し幅は2013年6月以来の大きさとなっていた。また、オプション取引のショート662枚を加えるとショートポジションは2万4833枚、1ドル=約0.87フランのレートで計算するとショートの規模は35億ドルとなる。ロイター通信
本件は、中央銀行に対する市場の信用に対しても傷を付けた出来事で、今後のFRBやECBそして日銀の量的緩和や出口戦略に対しても影響を与える。3日前の12日にスイス中銀のダンディーヌ副総裁は、スイス・フラン上限を維持する旨の発言をしていたところ。この手のひら返しは損失を被った投資家・FXブローカー・トレーダーには許せるものではないだろう。
優良企業と見られていたアルパリUKの1夜での破綻は株主にとって晴天の霹靂。さらにFX会社だけでなく、スイス国内およびスイスフラン高で損失を受ける企業の倒産も今後続発する可能性は高い。
【各社まとめ】スイスショックにおけるFX各社への影響とアナウンス:FOREXPRESSが各社のプレスリリースをまとめています。
先日の日経新聞でリスクゼロを求める消費者達という食生活に対するママ達の活動が掲載されていた。FXにかぎらず経済活動でリスクゼロを求めるというとのは実質不可能。
リスクゼロを実現するためのコストは、とんでもなく膨れ上がるから。