相場が自分の思い通りに動かなかった時に対処するテクニックの一つ。ナンピンをご紹介します。
株式相場でもFXでも利用者は多い手法。ただしリスクは高め。最初から分散してポジションを持つつもりでない限りおススメできない方法。
その理由は、ナンピンした場合に相場が逆に動いて、止めるタイミングが分からなくなると大きな損失になることがあるから。
ナンピンは、ポジションを増やして平均価格を下げる方法
為替相場が自分の持つポジションと反対に進むと含み損になります。その時に決済せずにさらにポジションを増やすと自分の持っているポジションの平均価格を下げることができます。
FXでナンピンする場合の計算例
1.円安ドル高へと動くと予想し、1ドル100円で1万ドルを買い。しかし、予想に反して円高に動く。
2.1ドル=90円の時点でさらに1万ドルを買う。合計2万ポジションの平均価格は100円と90円の平均である95円に下がる。
3.最初にポジションを持った100円ではなく95円まで円安になれば損益はゼロとなる。
これがFXでのナンピンです。
●DMMFXのドル/円チャート
為替相場の下落に合わせて買いを増やしていく方法がナンピン!
相場が元に戻ればいいのですが、元に戻らなかった場合にいつまで買い続けるかは難しいところ。
DMMFXの取引画面でナンピンを実際に確認
1.ドル/円の買いを4万ドル持っています。約定価格は102.470円
円高に動いてしまい建玉評価損益(含み損)はマイナス4.2万円
2.ナンピンで4万ドルを新たに買いました。約定価格は101.421円
これで、合計8万ドルの平均買価格は101.945に下がりました。
損益分岐点は102.470円から101.945円に下がる。ここから円安に進んでくれれば大成功。
※ポジション量が二倍になり同じ値動きでも利益・損失とも二倍。
ナンピンの注意点
為替相場が元に戻ればナンピンは成功。保有しているポジションの平均価格が下がった分だけプラスになる価格(損益分岐点)が近くなります。しかし。予測に反した動きが続くと含み損がますます増えます。さらにポジション量が増えれば、為替相場の下落に対して損失の勢いは増加。
1万米ドルを保有していて、1円動けば1万円の損益。ナンピンで2万米ドルになれば、1円動いただけで倍の2万円の損益が生じます。
1. ポジション量が増えたために必要証拠金が増加する
2. わずかの値動きで損益が大きくなる。
3.失敗した場合の損失が大きくなる。
4.失敗した場合の止め時が難しい。
ナンピンは上手く成功すればいいのですが、失敗した時の苦しさは尋常ではありません。いくら平均価格を下げたいといってもここまでというデッドラインを決めておかないと一度の失敗で致命的なダメージ(マネーマネジメント)を受けてFXを続けられなくなります。