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ギリシャへの85億ユーロ融資が合意して、グレグジットを回避(2017年7月の返済はOK)

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ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は、2017年6月15日)の会合で、ギリシャに85億ユーロ(約95億ドル)の融資を行うことで合意しました。

IMFのラガルド専務理事も出席しており、7月初めの返済期限に間に合うことになりました。

場合によっては、ギリシャのユーロ離脱(グレグジット)も話題に上っていましたので、一安心です。


ギリシャへの85億ユーロの融資決定!

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欧州安定メカニズム(ESM)のクラウス・レグリング氏の記者会見では融資は2段階に分けて実施。

  • 初回の77億ユーロを7月初めに行い、返済期限を迎える69億ユーロのギリシャ債償還と8億ユーロの返済遅延に対応
  • 残りの8億ユーロの融資を夏以降に行う
  • IMFのラガルド専務理事は第三次ギリシャ支援策への参加で原則合意。実際は詳細が明らかになってからで支援規模は20億ドル程。

第三次ギリシャ支援策

2015年8月14日に合意した第三次ギリシャ支援策は、度々、返済遅延や融資合意に問題を起こしています。ここで、その概要を振り返ってみましょう。

欧州安定メカニズム(ESM)を通して、ギリシャに三年間で820~860億ユーロを融資する。その条件としてギリシャは構造改革を実施する。

  • 年金制度改革
  • 付加価値税増税
  • 基礎的財政収支の改善:2015年にGDP比率-0.25%、16年に+0.5%、17年に+1.75%、18年に3.5%の黒字化

緊縮財政の実効を義務付けられています。第三次支援は、緊縮財政・税制改革がメインでギリシャ財政の復活については疑問が多い。

チプラス政権が考えていた成長戦略もオンラインギャンブルの収益や公共資産マネージメント(行政のデジタル化)などで、家計改善の基本たる支出を減らすことはできても稼ぐことはなかなかできそうにありません。

ギリシャの基礎的財政収支:2016年は5.85%と大幅に改善!

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ギリシャの実質GDP:落ち込んだ分の回復は相当に困難。

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出典:世界経済のネタ帳

欧州議会副議長のディミトリス・パパディモーリス氏は、東洋経済において、ギリシャ危機は過ぎ去り、回復に向かいつつあるというコラムを寄稿。

また、税金逃れを減らして回収率を高める方策を採用した。一方で付加価値税も大幅に簡略化した。その結果、低所得者層に負担をかけることなく、歳入を増加させることに成功している。競争促進に向け、天然ガスなどのエネルギー分野、宿泊業などにおいて規制緩和を実施して認可プロセスを簡素化した。国の保護を受けてきた産業は自由化された。東洋経済

確かに経済成長率は、ようやく回復に向かいそうです。しかし、これまでがひどすぎたゆえにダウントレンドが終わったにすぎません。共通通貨ユーロというギリシャにとって高い通貨を使う限り、失った資産を取り戻すのは相当に困難な道のりではないでしょうか。

ジョージ・ソロス氏も、ギリシャがユーロ圏にとどまる限り、通貨レートが高すぎるゆえに、回復することはないと言い切っています。

ユーロから離脱してのグレグジット

しかし、ユーロを使用せずに英ポンドを使っていた英国と異なり、ギリシャのグレグジットは相当の痛みを伴います。

長期的には、ドラクマに戻れば、ギリシャの実力に合った価格になるために、ギリシャ経済は復興するでしょう。ただ、その手前で強烈なショックが起きます。ギリシャや企業は、ユーロやドル建てで外国との取引を行っています。もし、ユーロから離脱しても契約上は、ユーロ建てで支払いを行いますから、ドラクマ安によってプラスにはなりません。

また、通貨の大幅下落は、輸入インフレを起こして、外国からモノが買えなくなり、深刻なモノ不足を招く可能性が高い。そのため、ギリシャでは、焦げ付き・破たんが頻発することになります。これは、ギリシャにお金やモノを貸し手いる側も同じ立場に置かれています。

そのため、緊縮反対のチプラス政権&国民は、ユーロに留まったままで、できるだけEUから支援を引き出すという戦略を取ることになります。

それに対して、ドイツのショイブレ財務相は、グレグジットも辞さずの方針。EU全体の考えは、国によってまちまちながら、ギリシャ離脱によるEU・ユーロ崩壊を恐れて、何が何でもつなぎとめる方針。

ショイブレ財務相は、欧州統合・共通財務政策を唱えている大欧州派であり、最終的な結論は、欧州の完全な統合(離脱する国もでる?)か通貨ユーロの放棄のどちらかになるでしょう。それまでは、ギリシャ含めて各国で同じようなゴタゴタが起きると思います。

ギリシャ危機の4つシナリオ

そして、2018年に終る第三次支援の次を考えなければいけません。ドイツのメルケル首相も国内の総選挙がある中、ドイツ国民を納得させる必要がありますね。

ギリシャへの第3次支援の期限は来年半ばで、その後同国は自力で市場から資金を調達できるのだろうか。当然ほとんど現実味はなく、少なくとも何らかの助けなしでは立ち行かない。つまり第4次支援が想定される。ロイター

ギリシャの切り札:ドイツの戦時賠償の話が大きくなれば、両国関係もこじれてしまいます。ドイツの賠償は、フランス・ソ連・英国に対しては、工場設備や強制労働の形で提供されたものの、ギリシャへの恩恵はほとんどありません。ドイツの侵攻で破壊されたインフレと強制融資の賠償額は1620億ユーロと試算されています。(ギリシャ国会委員会)

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