人の裏に花の道あり、全員強気は天井の印、なんて相場格言があるように、物事にはいつか終りが訪れます。永遠に上がり続ける相場や下がり続ける相場はなく、必ず、転換点を迎えます。
難しいのは天井と大底の判断。単なる値ごろ感で売買するのはFXの失敗例で誰もが通る道。トレンドに逆らって天井と大底を判断するのは危険。
一方、人と全く同じ行動をしていてはFXで儲けることはできません。
人の行く裏に道あり花の山:人と同じ行動では儲からない
相場はトレンドを描いて波のように動きます。買い方・売り方の強い方向に動きます。トレンドに逆らった売買程、危険なものはありません。
しかし、「もうはまだなりまだはもうなり」「人の行く裏に道あり花の山」という格言があるように、気づいてみたら大底や天井だったというケースはしばしば。
●米ドル/円チャートの1時間足:DMMFX
2016年4月8日の米ドル円チャート。4/8の0時に107円後半から108円だった頃は、悲観的なFXトレーダーが多く、105円まで下げ続けるのではという話が出ていました。
ところが、そこから反発して円安に進み108円台に戻しています。ここからまだ下落して円高に進む可能性は十分にありますが、短期的な反発局面にあることは確か。
●ユーロ/ドルのチャート週足:DMMFX
こちらは長めのチャートでユーロ/ドルの週足チャート。結果的に2015年の12月のECB追加緩和がユーロ/ドルの大底になっています。(2016年4月現在)
この時も追加緩和が決まる前は、ECBが追加緩和することで米国との金利差が開きユーロ安ドル高シナリオがメインでした。多くのFXトレーダーがユーロ売りドル買いを仕掛けていたはず。
しかし、ECBの追加緩和がきっかけで逆にユーロ高へと相場のトレンドが転換。ユーロショートポジションが一斉に手仕舞いを行ったのです。さらに、ここから中央銀行の追加緩和効果が薄れ始めて日銀・ECBがいくら緩和しても通貨安どころか通貨高に動く始末。
デフレ退治のために行う追加緩和が、弾切れを見透かされた状態になっています。
ここで、人の裏を選び、いち早くユーロ買いに回って人は大きな利益を上げられました。
人と違う方向に賭けるための心構え
人と同じ行動は儲からない。でも、トレンドに逆らっては大損するかも。矛盾しているこの二つを両立させれば名人の域。どうやって見極めるか幾つかの心構えをお伝えします。
- 同じ銘柄を見続ける。米ドル/円なら米ドル/円をずーっと見続ける、すると銘柄の癖や動きの流れが分かるようになってきます。
- チャート分析:フィボナッチリトレースメントやエリオット波動、RSI、ADXなどの力を借りる
- 大勢が同じ考えになっていないか:市場の投資家皆が同じような考えを持っていると感じたら、そろそろ相場は終りかも。皆が売っている相場に新たな売りエネルギーはありません。
- 勝率よりも値幅重視の考え:時には勝率が低くても値幅が大きい方に賭けてみてはいかがでしょう。ストップロス必須で試せる相場があれば。
相場は常に行きすぎますから、あなたの考えに固執してはいけませんよ。長期予想がいくら当たっていてもFXでポジションを持つ場合、有限の資金量・欲望と恐怖との戦いが待っています。
為替相場は特にゼロになることはありませんし、通貨安に行き過ぎれば、通貨高に戻るファンダメンタルズが整いやすくなります。逆もまたしかりですね。
変動相場制は、価格が動くことで国同士の経済的歪みを修正する役割を持っています。このことを肝に銘じてFXをはじめてみましょう。