テクニカル分析の一つ、ボリンジャーバンドは株式市場および為替市場で利用する手法。
ジョン・ボリンジャー氏が1980年代に開発したテクニカル分析手法。彼は、禅の本を読んだことをきっかけに日本に興味を持つ。そして、ローソク足チャートを研究し清水正紀氏の「チャートの王者」英語版をむさぼり読んだとのこと。
バスケットボールの神とも称されるマイケル・ジョーダンの恩師「フィル・ジャクソン」もコーチ哲学に禅を取り入れていることは有名な話。東洋と西洋を上手くミックスする方は多い。
開発者だけが知るボリンジャーバンドの統合的なアプローチ
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FXに役立つボリンジャーバンドの基本的な見方
移動平均線とその標準偏差(±1σ、±2σ、±3σ)を価格チャートに重ねて描くことで価格の上下にバンドを描きます。視覚的に見やすいことからプロ・アマ問わずに多くのFXトレーダーに愛されているツール。
●ボリンジャーバンド日足:ユーロ/円
SBIFXトレードで表示してみたチャート。標準偏差の±2σを為替レートが破る場面はまれ。そして3σを破る場面はほとんどありません。
ボリンジャーバンドと統計学
統計学上、移動平均線±1σ内には68.27%、平均線±2σ内には95.45%、平均値±3σ内には99.73%の確率で価格は収まります。つまり、±2σの範囲(線)を飛び出す確率は5%にも満たないということです。ただし、一般の標準偏差より株式相場・為替相場ともレンジを破る確率は高いとも言われています。
具体的な売買ポイント
最も単純な方法
- -2σラインやマイナス3σラインに下値が接近もしくは割り込むと「売られ過ぎ」と判断して買い。
- +2σラインや+3σラインに上値が接近もしくは突破すると「買われ過ぎ」と判断して売り。
これだけでFXを取引するのは止めてください。必ず他の手法と併用すること。
注意点
5分足などの短い時間軸のチャートは、±2σのラインを価格が超えることが多い。
価格の動きに合わせてバンドも上下します。価格が上昇すればバンドも上昇することから過去の価格とバンドの推移を見ると当たっているように見えても実際のFXトレード上では失敗することもある。
ユーロ/円相場、SBIFXトレードの1分足チャートでは、バンドの動きに山や谷が多く滑らかさが低い。
バンド幅と変動率(拡大と縮小)
価格の動きが小さく狭かったバンド幅が広がり始めた時はトレンドの転換点になる可能性が高い。その時は順張りでトレンドを生かした取引を行います。
- 幅が狭い時=レンジで相場は揉みあい。
- 幅が広い時=変動率が高く相場は上下に動くか急激に一方向にトレンドが起きる。
- 幅が広がる時=こう着状態が終了、明確なトレンドが生じる前触れ
- バンド幅が狭い⇒次の広がりを暗示⇒次の縮小を暗示とボラティリティー(為替の変動幅)は変化する。
ヘッドフェイク
相場が小さなレンジを繰り返している時に「ヘッドフェイク」が起きる時があります。
ジョン・ボリンジャー氏の言葉によると元々はホッケーの用語で、ある方向に進みたい時に頭を逆方向に振ることで敵ディフェンダーの目を欺くこと。
相場でも同じように動くことがある。レンジ相場を続ける中で為替レートがフェイントをかけるのです。つまり、一旦はレンジを外れて下落した後に、一転、上昇を始めるパターンです。
ヘッドフェイクは、一度、新安値やサポートラインを破るために引っかかって売ってしまうことがあるためご注意ください。
ボリンジャー氏は、パラボリックとボリンジャー・バンドの併用により上手く損切りや仕掛けることを推奨しています。
ドル/円の4時間足でヘッドフェイクが起きた例。FX初心者の方はサポートやレジスタンス・トレンドラインを最初に覚えることから、こういったフェイント的な価格の動きについていきにくい。
実際にこの形は良く生じるため、一つの手法を絶対と見るのではなく複数の分析を組み合わせて使うことがFXトレードで上達するコツ。
ダブルボトム時の反転パターン
パターン分析で有名なダブルボトムにおいて、最初の安値がボリンジャー・バンドの外側まで下がり二回目の安値がバンドの内側で止まった場合は典型的な反転パターン。たとえ二回目の安値が新パターンであっても反転可能性が高い。
ドル/円の2時間足チャート。ダブルボトムの二回目安値はバンドの内側でとどまってから反転した。
ボリンジャーバンドのスクイーズを利用したレンジブレイクアウトについて売買する方法もお読みください。