競争激化で薄利多売のサービス向上合戦:FXトレードの歴史後編

FXが登場してから現在までの歴史は、日本の戦国時代のように数年置きに覇者(リーディング企業)が入れ替わる怒涛の時代でした。後年、経営やマーケティングの研究材料になりそうなくらいに取引高・サービス合戦が起きて、ユーザーの利便性が向上しました。

2005年:FXトレードの戦国時代と下剋上が続く

商品先物会社、短資会社、証券会社、IT系会社と新会社が低スプレッドや取引システムを武器に続々と新規参加。

(1)円安とスワップポイントの時代

ドル/円は、2005年の1月に101円台後半を付けた後、2007年の6月につけた124円台をピークに円安が続きました。

日本の個人投資家にとってこの頃は、金利差による高スワップポイント・円安傾向による為替差益の両方で儲けやすいFXの歴史上でも最高に良い時代。

(2)IT企業の参入と手数料引き下げ

2003年9月にサイバーエージェントFX、2005年10月にGMOクリック証券が参入するなどITビジネスからのFX事業への参画が増えました。

新規参入企業の増加による競争原理が働き、顧客サービスの質が向上し、商品設計の質次第で成長する企業が入れ替わる下剋上の時代。取引手数料が次々に下がり無料および低スプレッド競争が起きます。

インターネットだけで口座開設が完了する口座開設フォームの整備 ・取引システムの操作性やスピード向上 ・チャートの操作性やテクニカル分析の質量向上など改良が続く。

(3)FXで4億円脱税事件などで一般化。

一般の人にも知られ始めた時期。FXに関する脱税問題が世の中を騒がせる。「円安トレンドによる為替差益」及び「高スワップポイントによる金利」の二つを得られるメリットからこの時期は初心者から熟練した投資家までFXの一大ブームが沸き起こりました。

次々と脱税事件が発覚し金額が大きかったため「FXは儲かる」とマネー関係はもちろん一般の雑誌までFX特集記事を掲載しました。 広告ページがFXで7~8割を占めるような雑誌が見受けられたのもこの頃です。

(4)米国の大手商品先物会社:レフコ社が破綻

米国の大手商品先物会社でFX事業も行っていたレフコ社が2005年10月、経営トップ自らが関与した不良債権隠しにより破綻。

同社は同年8月に上場したばかりであり、多くの顧客に被害をもたらしたことから企業会計・資産保護に関しての規制が整えられる要因になりました。後の信託保全制度に結実。

2005年8月:手数料無料化の幕開けとサービス競争

FXの商品設計を比較する場合に今は手数料ではなくスプレッドで比較します。 その手数料無料の大きなターニングポイントが、FXCMジャパンの「1万通貨単位取引手数料無料化」です。

10万ドル以上の大口取引については以前から手数料無料の会社がありました。そこに1万通貨単位の手数料無料化をFXCMジャパンが実施したことで以後の手数料無料~スプレッド競争が幕を開けたのです。

2007年9月30日:金融商品取引法施行

金融ビッグバンの流れの中で多くの金融商品が誕生したことで既存の法律でカバーしきれなくなります。投資性のある金融商品を取引する際の投資家保護と公正で透明な市場づくりを目指して証券取引法を改正した法律が施行されました。

【金融商品取引法のポイント】

多様な金融商品を対象にし、一括管理 ・金融商品取引業者のすべてを登録制に ・規制やルールの強化 ・広告規制

FXについてはすでに改正金融先物取引法により規制が行われていたことから法律を統合するという意義が強かった法施行です。

2007年:ミセスワタナベ登場と世界金融危機

(1)ミセスワタナベ

ミセスワタナベといっても渡辺さんや渡部さんのような誰か特定の個人を指すものではなく、FXを上手く活用して大量のドル買いを行う個人投資家を総称して呼ぶ言い方です。

日本の投資家の特徴として、「ドル買いが好き」「FX市場が大きい」の二点があげられます。 一人一人の取引は小さくても童話の小さい魚が集まって大きな魚にみせかける「スイミー」のように、大量のドル買いとなって外為市場を震撼させたことから、欧米の機関投資家から「ミセスワタナベ」と命名されました。

(2)サブプライムローンからリーマンショック

2007年のサブプライムローン(信用度の低い人向けローン)危機により多くの金融機関が巨額の損失を出す中、2008年9月に米国の大手投資銀行「リーマン・ブラザーズ」が総額60兆円を越える負債を抱えて破たんし金世界的な金融危機が発生した。

◆為替動向・・・それまで円キャリー取引や(低金利の通貨を売って高金利の通貨を買う取引)リスク資産に投下されていた資金が反対売買による巻き戻しの影響を受けて円高へと流れを変えた。

◆ スワップポイント低下・・・サブプライムローン危機までは、軒並み高い金利を付けていたドル・ユーロ・英ポンドなどが相次ぐ利下げによる金利低下でスワップポイントで儲ける取引に旨味がなくなりました。

2008年6月:外為オンラインによるスプレッド固定1銭

FXの人気が高まるにつれ、手数料無料化からスプレッド縮小へとサービスの向上が続きました。

そして、外為オンラインがドル/円のスプレッドを1銭固定で提供したことで、短期トレーダーの人気を集め取引高において業界ナンバーワンの地位を短期間に確立しました。

2008年:高レバレッジ~400倍!

各国の政策金利低下によりスワップポイントの付与される金額が下がる中で、短期トレーダー向けに最大レバレッジを200倍~400倍に設定する会社が増え始めました。

最大レバレッジが高いとより少額の資金で大きな取引をできることから資金効率の良い取引が可能になります。

2009年10月:くりっく365 南アフリカランド円大暴落

2009年10月31日(土)早朝にくりっく365の南アフリカランド/円が11.5円前後から8.5円前後までわずかな期間で3円近く暴落した事件が起きました。何か事件が起きたわけではなく、相対で提供しているFX会社の価格は変わらずにくりっく365のみ暴落したのです。

指値・ロスカットは全てその価格で行われ、投資家によっては大きな損失を出しました。通常、複数のマーケットメイカーがレートを提示し、異常値と言われる現在の相場からかけ離れたレートは顧客に提示しないシステムが作られているはずが、何らかの原因でフィルターが機能せず異常値として弾かれるはずの価格がそのまま提示されてしまったことが事件の要因です。

結果的には希望者には救済処置で救われましたがレート提示に対するリスクを考えさせられる事件でした。

2010年8月:レバレッジ規制の第一弾

2009年8月に金融庁によって公布された「金融商品取引業等に関する内閣府令」の改正により、2010年8月1日からFXのレバレッジ上限が最大50倍に、2011年8月には最大25倍に制限されます。

これまでFXは少額の資金を元手に、大きな取引を行えることが魅力の一つでした。しかし前述のとおり400倍もの高レバレッジが増加したため、資金がゼロになるリスクもありました。金融庁は、投資家保護のために、投機的取引を抑制したいと考え規制を導入するに至りました。

法人で口座開設した場合には本規制の対象外となります。

尚、2010年2月1日からは、顧客資産の保護についても法規制の適用が実施され、顧客が安心してFXに取り組める環境が整いました。

◆顧客預かり資産の金銭信託への一本化:顧客から預かった資産は会社の資産と区分して信託業務を営む金融機関へ金銭信託として預ける

◆ロスカット制度の整備:ロスカット制度の整備と遵守の義務化

⇒顧客がFX会社に預けた資産の安全性向上とロスカットルールを厳しくしルールを守らない業者に対して監督指導を行うことになりました。

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