問題山積みのユーロ。経済力の強いドイツと弱いギリシャやイタリアが同じ通貨を使用していること自体に矛盾があり、難民問題でも人道的要素に加えて将来の労働力不足解消のためにも歓迎したドイツのメルケル首相。
しかし、その後の難民問題の深刻化は増すばかり、治安悪化・財政問題から、各国の右翼・ナショナリズムを刺激し、統一欧州の理念が揺らぎかけています。そんな中で、ユーロと欧州を守るべく奮闘しているマリオ・ドラギ総裁は、2016年3月の理事会で追加緩和を行うことを示唆しました。
前回のECB理事会では、QE延長するも期待外れだったと金融市場は失望。FXトレーダーの中でも損失、利益様々だと思います。ユーロと米ドルの金融政策の差からユーロ売りとの予想が多かったので。
しかし、ドラギ総裁への市場信頼感はなかなかのもの。一時的かもしれませんが、市場の危機意識が静まっています。
ドラギ総裁記者会見及び講演
- 2016年3月の理事会で、金融政策スタンスの見直し⇒追加緩和
- 状況の変化に応じて金融政策姿勢を修正する準備がなければ、ECBへの信頼が揺らぐことになる
- マーケットのボラティリティが高くなり、市場状況が変化
- 金融政策は政府が行動するまでの時間稼ぎになるが、それ以上のもではない
- インフレの状況については、暫く楽観的なる理由が見出しにくい
ユーロとECBに関する関連サイト
- ECBの声明
- ECB、新たな追加緩和の可能性:セントラル短資FX
- ダボス会議:インフレ押し上げへ十分な手段、責務遂行に決意と意欲=ECB総裁
欧州中央銀行は1月22日発表した四半期ごとの専門家調査のインフレ見通しは、2016年のユーロ圏のインフレ率は0.7%になる見込み。3カ月前の1.0%から低下。
- 2017年のインフレ率見通し:1.4%(前回1.5%)
- 2018年:1.6%
- 2020年:1.8%
このままでは、インフレ目標としている2%弱を達成できないことになる。
●ユーロ/ドルの月足チャート
長期的には、2015年のユーロ/ドルは横ばい相場。
●ユーロ/ドルの日足チャート
WTI原油価格は1月20日に26.55ドルを付けてから反発しています。原油価格がこれで大底を打つかまだまだ下値を試しに行くかで、ECBの追加緩和の規模・有無は大きく変わります。
FXトレーダーは、原油価格・中国市場を見ながら、米ドル・ユーロでトレードしていきましょう。