世界中にある通貨の価値を比較して値付け【交換レート】を定める為替相場。その価値を決める要因の一つに「通貨の信用度」という観点があることをお忘れなく。米ドルや日本円は信用度が高い通貨。
為替相場の変動要因は、金利やインフレ・デフレ・経済成長率など経済や数値的な要素で計られています。ここはFXトレードを愛する皆様はご存じのポイント!
国の信用度こそ為替レートと言えます。
世界には自国通貨を信用できない国がたくさんある
日本人には少し分かり難い要素ですが、世界の国を数え上げていくと、自分の国の通貨を持ちたくない国民の方が多い位。
代わりに登場してくるのが、世界の基軸通貨である「米ドル」。皆様、少しアングラなお話を描いたノンフィクションを読んだり映画やテレビをご覧になることがありませんか。
闇取引で決済に使われる通貨は、「米ドル」。金額が大きく重要な取引程、自国通貨ではなく米ドルが使われているはず。ドルならアフリカでもアジアでも南米でも使えるますから。
基軸通貨「米ドル」の信用が高い理由
彼らは、安心して使える信用の高い通貨と米ドルを見なしているわけです。そして、流通量や取引量も多いためにFXのスプレッドも狭くできる。
- 世界最強の軍事力と経済力
- 強力な外交力
- 諜報や情報力
- 世界中に持つ利権の数々
- 巨大なグローバル企業
- 広大な国土や資源
- 最先端の科学技術力
- 皆が憧れる文化や芸術
これら多くの資産を持つ米国の通貨である「米ドル」が紙切れになるでしょうか?ゼロではありませんが他の国に比較して著しくリスクが低いわけです。
そのため、世界中の人がドルで資産を持ちたがります。⇒一定のドル買い需要が生じて価値を維持する要因になっています。
出典:世界経済のネタ帳
主な国のGDPを比較すると米国の力は飛びぬけていますね。しかも、リーマンショック以降の世界経済危機を乗り越えて他国との差が広がっています。
日本はデフレに苦しみ、少子高齢化の中、成長力が衰えています。それに対して移民・次世代技術の宝庫である米国の経済力・信用度は強いまま。そして、第二の通貨になるべきユーロは調整機能が働かないという問題点を抱えており、常に通貨下落リスクを持っています。
FXトレーダーの皆様、変動率の前にこの経済規模を頭に入れておいてください。
日本円の信用力
同じように、日本円も世界中で信用の高い通貨です。軍事力や外交力といった軍事・外交面では弱いものの、日本はそういった国の防衛コストを米国にアウトソーシングしているという意見があります。
また、他国との外交や企業活動など多くの面で、日米は一体化しつつあるという話も出てくる程。
日本円が紙切れとなり、どこでも使えなくなるリスクは低いゆえに信用力が高いのです。リスクがあるとすれば、福島原発が大爆発でも起こして日本が壊滅する事態・日中の大戦争位がシナリオとして考えられる状況。
福島原発の影響や状況を海外投資家が厳しく見つめて情報収集しているのは、この通貨の信用という根本に影響を与えるからです。
リスクオンとリスクオフ
そのため、世界でリスクが高まると米ドル・日本円が一斉に買われます。危機が去るとその逆。
リスクオン(選好):リスクは高いが利回り(収益)が望める資産にお金が向かう状態
リスクオフ(回避):リスクの低い資産や通貨にお金が向かう状態
為替相場にFXを通して関わっているとFRBが大量にドルを刷っている状態や日々の経済指標の動きに注意しがち。世界の危険度と通貨の信用を揺るがす事態が起きるかどうかもFXで相場予測をするために大切。
通貨によっては使えなくなる可能性を持つ
お金の価値とは、他人が交換に応じてくれるかどうかです。ビットコイン・金・米ドル・ユーロ・・・全て、他の物に交換できるからこそ価値を持ちます。もし、交換を拒否されればその「お金」の価値は低くなるということです。
ハイパーインフレや決済拒否とはそういう状態を指すわけです。そこで、人民元・新興国通貨などを見てみると、皆の頭の中に「もしかしたら・・・という一抹の不安」をぬぐいきれない状態がある。
ゆえにリスクオフ(回避)の状態になると信用度の高い通貨である「米ドル」や「日本円」が上昇します。
結論:国の信用が揺らぐと通貨安になる