平均足は、FXの人気化に伴いトレーダーの注目を集めるようになった指標です。基本的なテクニカル分析ツールには無いことも多く、テクニカル分析の解説本にも紹介されていないことがあります。
FXトレードを始めたばかりの方におすすめできるツールで、パラボリックや移動平均線と同じようにトレンド把握しやすいことがメリット。
平均足はコマ足とも呼び、元々は生糸相場などで利用されていました。
FXサイトの目次
平均足はトレンドを把握しやすい
現在では、ほとんどのFX会社で利用可能。ローソク足やバーチャートと同じカテゴリーに入っていることが多く、価格を表示する足が変化します。
簡単な売買サインと観方
- 陰線が何本が続いたあとに陽線が出れば「買い」
- 陽線連続のあとに陰線が出れば「売り」
- 陽線または陰線が続いている間はトレンド継続
実際のチャートを見ると簡単に判断できます。
実体の長さは、トレンドの強さを示す。前の平均足実体部分より短い実体の足が出た場合、トレンドの変化の可能性があり。
SBIFXトレードの米ドル/円平均足チャート(60分):陽線は赤色、陰線は青色。
1.ローソク足
2.平均足
ローソク足と平均足の二つを並べて見るとその違いがはっきりします。
平均足で赤い足が続けば買い、青い足が続けば売り。トレンド転換も簡単に判断できますね!
平均足の4本値(始値、高値、安値、終値)の計算方法
- 始値 = (一本前の始値(平均足) + 一本前の終値(平均足))÷2
- 高値 = 高値(ローソク足)
- 安値 = 安値(ローソク足)
- 終値 = (始値(ローソク足) + 高値(ローソク足) + 安値(ローソク足) + 終値(ローソク足) )÷4
平均足のメリットとデメリット
初心者の悩みは、テクニカル分析ツールの多くが判断に迷うこと。一目均衡表やボリンジャーバンドは、それだけで一冊の本になるほど奥が深い。
それだけに、売買サインや見方がたくさんあり、覚えきれません。絵画みたいなもので見る人によって売買サインが異なると取っ付きにくい。
その点、平均足は、基本的に陰線・陽線の色の変化と上ヒゲ・下ヒゲをみておけば良いため、判断に迷いにくいツール。
売買するたびに、異なるテクニカル分析を使っているとトレードテクニックも上がりません。
プロ野球を例に出しましょう。
ある試合で、打率3割3分のバッターが3回凡退して9回裏のチャンスに打席が回ってきました。あなたはここで代打を出しますか?
ベンチに彼以上のバッターがいれば出したいところですが。
ご存じかと思いますが打率3割3分の打者はかなりの好打者です。ですから過去3打席凡退しても今度こそ打つだろうと考えてそのまま打たせることがほとんど。
もし、ベンチに彼以上の打者がいるならば、怪我などでない限り先発させるべき。
これをFXトレードに置き換えた場合、平均足の売買サイン通りにしたら3回損した。次はRSIだ。また損した。次は何がいいかなとテクニカル分析を探し回ってはいませんか。
あなたが、判断しやすいテクニカル分析ツールを見つけたら、代打ばかり出さずに使い続けるべき。
それぞれのテクニカル分析ツールにはメリットとデメリットがあるので複数のツールを使うことで補い合えるはず。
デメリット
平均足のデメリットは、もみあい状態になったとき。為替相場が上下にぶれだすと陰線と陽線が交互に出てしまい使えなくなります。
また、平均足は、計算上、現在値を表示しないために、他のチャートや価格表で現在値を確認しながら売買した方がいいでしょう。
デメリットの補い方
トレンドがない局面が苦手なツールですから、オシレーター系やトレンドラインを平行して使いましょう。トレンドの強さを測るADXなどは併用するのにおすすめ
●ここでは平均足上にトレンドラインをいくつか引いていますが、分析時はローソク足にトレンドラインやボリンジャーバンドを表示させる方が良いかも。
ユーロ/円の60分足チャート。ボリンジャーバンドとADXを表示。ボリンジャーバンドの傾きが横向きに近く幅が狭い時はレンジ相場で平均足に不向き。
傾きがどちらかに向いて幅が広くなる時に平均足が陽転や陰転すると売買チャンス。ADXの値が大きい時はトレンドが強い。
平均足の見方・使い方まとめ
- 陽線は上昇トレンド、陰線は下降トレンド
- 陽線で下ひげが出た場合は売り、陽線でも下ひげが長いほど弱気相場
- 陰線で上ひげが出た場合は買い、陰線でも上ひげが長いほど強気相場
- レンジ相場でもみ合いだと使いにくい
- トレンドがあるかどうかを他のツールで判断
- やや長めの時間軸チャートで見る方がいい
また、平均足は5分足や15分足などで細かい値動きを見るよりも日足や月足・1時間足チャートといったやや長めの時間軸を見る方が判断しやすいと言われています。