永世中立国として有名なスイスの通貨、スイスフラン。中立の立場を保つことから、投資資金の避難先として利用されるなど有事のスイス・フランとして活用されてきました。
21世紀、リーマン・ショックや欧州のソブリン危機など、金融以上に波乱が起きたことから、資金が集まりやすくスイスフラン高が続いていました。
- スイス・フランの呼び方:CHF
- 硬貨は、5,10,20ラッペン、1/2、1,2,5フラン
- 紙幣:10,20,50,100,200,1000フラン
国際金融市場での重要通貨
スイスフランは昔から重要な通貨でした。現在は欧州統一通貨ユーロにより、欧州のマルクやフランが統合されたために、地位が向上したとも言えます。ユーロを売って他の通貨を保有したい投資家の選択肢に上がりやすい。
国際決済通貨の一つとして、貿易の決済時にも利用される。
スイス・フランのデータやサイト
- 金融財政政策当局:スイス国立銀行
- スイス国立銀行総裁:トーマス・ジョルダン
- スイス中銀の政策金利:外為どっとコム政策金利の推移
- 経済指標:外為どっとコム、JETRO
スイスフランの主な特徴と変動要因
スイスフランの特徴を見る前に輸出入のデータを見ておきましょう。
- 輸出:201,213スイスフラン(単位:100万)(2013年)
- 輸入:177,642スイスフラン(単位:100万)(2013年)
- 主要産業:機械、金融、食品、製薬、観光、農業
出典:JETRO
時計・医薬品・金融など欧州の中でも特異なポジションを占める。
スイス中銀の介入とスイス・フランショック
欧州ソブリン危機などから、慢性的なスイスフラン高が続いたことで、国内の製造業の国際競争力に対する懸念が大きく出ていた。しかし、フラン高は続いたために、2011年9月、スイス・フランの対ユーロ相場に1ユーロ=1.2フランの上限目標を設定した。これいかの水準では、無制限の介入を行うと宣言。
自国通貨売りの介入であるため、自国通貨を刷れば刷るほど介入資金は出す事ができる。とはいえ、インフレなどの問題もあり、どこまで実施できるか注目を集めていました。
そして、ついにその日が。2015年1月15日、スイス中銀は上限目標を撤廃。スイス・フラン相場は急騰。いわゆるスイス・フランショックとして大手FX会社のアルパリが破綻するなど多方面に大きな影響を与えた。