米ドル/円は、5月の雇用統計で、非農業部門雇用者数前月比7.5万人増加。予想は、18.5万人増加だったため、大幅悪化。
FRBの早期利下げ観測から、円買い/米ドル売り。米10年債利回りは、2.0517%前後まで低下する場面あり。
米ドル/円の動き:米5月雇用統計悪化とメキシコ関税
米ドル/円は、107.88円まで下げました。その後、値を戻して、108円をキープ。NYダウは、利下げ観測から263.28ドル高の25983.94ドルで引けました。
米雇用統計を直近だけで見るとすわ利下げという局面。しかし、視野を広げるとそこまで焦る局面かという考え方もあります。
米雇用者増加数3カ月平均15万人、失業率50年ぶり低水準3.6%、賃金3%超の増加で物価の伸びを上回る。こう見るとFRBが利下げしなければならない理由はない。それでもFRBが利下げするなら、あくまでも将来の減速に対する予防的な措置。つまるところがトランプ再選に向けた株高継続のための援護射撃かと。
— 神田卓也 (@KandaTakuya) June 8, 2019
メキシコ関税は停止!
そして、トランプ大統領は、メキシコとの合意成立を公表。
●メキシコは、移民管理・国境警備を強化
●米国から農産物を大量に買い付ける
●メキシコへの制裁関税発動を停止
トランプ大統領は7日、不法移民対策を巡りメキシコと合意したことを明らかにし、メキシコ製品への制裁関税発動を無期限で停止すると表明した。メキシコ関税停止
これは、FX・株式市場ともリスクオンに傾くニュースですから、市場の流れが変化する可能性があります。すでに、週明けの日経平均は買われるだろうと予想されています。
●米雇用統計の悪化⇒早期利下げ観測
●メキシコ関税の停止
●欧州通貨の動向:ハト派後退のユーロ。イタリアの財政問題
●メイ英首相辞任に伴うゴタゴタ。強硬派のジョンソン氏有力
ECB及びユーロは、米金利の低下に伴うユーロ上昇を抑制するために、利下げを行う可能性があります。
また、日銀も追加緩和を考えなければいけないレベルに来ていると思います。
関係筋の1人は、現在マイナス0.40%の預金金利をさらに引き下げる主な目的は、既に超低水準の借り入れコストを一段と下げることではなく、ユーロの上昇を抑制することだと説明。「利下げの理由は5つある」とし、「為替相場」と5回繰り返した。
同筋によると、1ユーロ=1.15ドルはまだ一定程度、許容可能な水準だが、1.20ドルは注視すべき重要水準となる。ECB金融政策の方針
●米ドル/円の日足チャート アイネットFX 2019年6月9日
米長期金利の低下とメキシコ関税撤廃の綱引き。短期的には、メキシコ関税撤廃を織り込まなければいけません。
そのため、少し反発する可能性高し。108円以下は、機関投資家の買い支え。108.50円以上の重さを払拭できるかどうか。
レジスタンス:108.50~62円。109.185円、109.593円、109.75~80円、
上値では、米中貿易問題の蒸し返しや世界経済の情勢悪化に対する懸念が出てくるでしょう。中露が共同して米国に対抗するとなれば、強烈な衝撃になります。
ロシアのプーチン大統領は習氏の滞在中、貿易摩擦やハイテク分野での米中対立を巡り、中国を全面的に支持する立場を表明。米国はグローバルな基準を無視して自分の基準を世界に押しつけている。絶え間ない貿易紛争をもたらす」佐賀新聞
■来週の注目スケジュール
6月10日(月):日・GDP改定値(1-3月)、英・商品貿易収支、中・貿易収支など
6月11日(火):日・工作機械受注速報、英・失業率、米・ゲーム見本市「E3」(13日まで)など
6月12日(水):中・消費者物価指数、トルコ・中央銀行が政策金利発表、米・財政収支、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が講演など
6月13日(木):豪・失業率、ユーロ圏鉱工業生産、米・輸入物価指数、ユーロ圏財務相会合など
6月14日(金):中・小売売上高、ロシア中央銀行が政策金利発表、米・小売売上高などフィスコ