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  1. ユーロと欧州
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ECBが量的緩和を終了するため、長期的にはユーロ高へと圧力

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ECB(欧州中央銀行)は、量的緩和政策として行っていた資産買入を2018年6月14日の理事会で終了する方針を明らかにしました。

これを受けて、FXは、ユーロが上昇するも、金利を現在の水準に少なくとも2019年夏まで留まるとの見通しを示したことから、一気に急落。ECBの量的緩和は、景気支援とデフレ対策を目的に2015年1月22日の理事会で決定。近年の欧州経済の回復を持って、その役目を終えることになります。


ECBの量的緩和終了に伴う影響

金利を上げないとの話から、FXではユーロが下落。緩和終了後の2019年は、ユーロ圏の金利上昇を期待したいた向きの予想が肩すかしとなりました。

いそいで、金利を上げると、ふらふらしている欧州経済への逆風になりますから。

ドラギ総裁会見:ECB理事会(2018年6月14日)

  • ユーロ:3億4000万人が利用する通貨で、域内では、74%の支持を得ている。後戻りできないのが結論。ユーロは力を持ち、人々が求めている
  • 政策金利:夏にかけてというのは、意図的に時期を特定しないこと。経済が好調ながら、同時に不透明性が増す中で、今回の決定をしている
  • インフレ:基調インフレは年末にかけて上向き、中期的に緩やかな上昇をする見通し
  • インフレの持続的調整:大幅な進展が見られた

●セオリー:量的緩和終了及びテーパリングはユーロ高要因。

量的緩和政策の目的は、景気対策及びデフレ対策。かといって、永遠に続けることはできません。長く続けると買い入れる国債が枯渇してしまいます。安全で需要の大きいドイツ国債が足りず、イタリアやスペインなどのリスクの高い国債の割合を増やさなければいけません。

最近のイタリア危機で、イタリア国債価格が急落したことを思えば、苦しいところ。また、ECBが国債を買ってくれるとのことで、南欧州や中東欧の国々が国債を発行するのも金融市場をゆがめ、財政規律を緩める結果に繋がります。

ECBの量的緩和について

●資産買入れの対象

  • ユーロ圏の参加国国債
  • ドイツ・フランス・スペインの政府機関債
  • EUの国債機関債

量的緩和縮小:テーパリング

  • ECBは、2017年10月26日の理事会で、縮小(テーパリング)を決定。
  • 2017年12月末までとしていた資産買入れ額を2018年9月末に延長
  • 2018年1月以降の資産買入れ額を月額600億ユーロから300億ユーロに減少

量的緩和終了:2018年6月14日の理事会で決定

  • 2018年12月末で量的緩和による資産買入れを終了
  • 10-12月の資産買入れ額は月額150億ユーロに減額
  • 政策金利は2019年夏まで現在の水準に据え置き
  • 満期償還金の再投資は、緩和終了後も長期間に渡り続ける

これによって、長期的なユーロ相場は、上昇圧力がかかります。国債価格の下落⇒金利上昇⇒ユーロ高のメカニズム。

一方、ユーロ圏で抱える債務の多い国は、ECBの買入れが無くなるために、苦しくなるリスクがあります。これまでは、量的緩和政策で、国債金利が抑えられていましたが、終了することで、金利の上昇圧力が強まります。

日本のように、国債発行額が多い国は、金利上昇が強まると利払いが増えて財政負担が苦しくなるのと同じ。

そうなると、南欧州や中東欧を中心に、ユーロ離脱やポピュリズムの動きが強まるリスクがあります。

世界的にも影響を与える可能性

  • 欧州の量的緩和で、米国債に流れていた資金が少なくなる⇒米金利上昇の可能性
  • 米欧の金利上昇で、新興国から先進国に資金が還流⇒新興国に危機
  • 欧米の金利上昇⇒日本との金利差拡大で円安トレンド

これらは、可能性を予想しただけであって、必ず起きるとは限りません。

それでも、量的緩和自体、異常時に行う政策であって、市場をゆがめるリスクがあります。補助金を貰うことを前提に存続する産業を補助金漬けというよに、量的緩和に慣れると、金融機関の収益圧迫や市場にモラルハザードが蔓延してしまいます。

ECBにとって、頭の痛いのは、米国に比べて弱い欧州経済。

ユーロ/ドルの相場水準は、1.20ドル台前半が居心地のいい水準。ユーロ高は、欧州経済の輸入に悪影響を与えるので、ユーロ高が進むのはECBにとって困りもの・下記は2018年4月の理事会での内容・

今回の記者会見では「ユーロドルレートは1.22ドル近辺で落ち着いているが?」という質問に対し、ドラギ総裁は「その通り。為替レートは安定しており、ボラティリティーも低下している。(政策理事会では)議論されなかった。」と述べたのみだった。 本レポートでも述べてきたように、現在のECBは、ユーロドルの当面の上限を1.25ドル前後と想定し、それを下回る1.20ドル台前半の範囲で安定的に推移することが、成長率とインフレ率との兼ね合いから望ましい、と考えているようだ。金利上昇圧力への対抗

◆ユーロ/ドルの月足チャート 外為どっとコム 2018年6月15日

ユーロ/ドルの動き

1.16前後のユーロ/ドルは、ECBにとっては問題のない水準。

経済好調や量的緩和縮小でユーロ高に進むと、何か問題が起きる通貨。イタリアやスペインをはじめドイツ以外の各国でトラブルが生じてユーロ安に進むリスクも常に存在しています。

量的緩和については、欧州経済が弱くても、イタリアで問題が起きても、量的緩和を終了させておかなければ、2019年から2020年頃に起きると予想されている景気後退サイクル時に手を打てなくなるリスクがありますからね。

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