サンフランシスコ連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は、今後の米国利上げについての見通しをロイターに語ってくれました。FXにとって、重要なメッセージだと思います。
米国の雇用統計は、2018年5月に失業率3.8%まで低下。平均時給も前年比で2.7%上昇とトランプ政権後の好調が継続。そのため、6月12-13日のFOMCで、FF金利の誘導目標が1.75-2%に利上げされるとの予想が有力。
サンフランシスコ連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は、来年も利上げ継続
ウィリアムズ総裁は、ニューヨーク連銀総裁になる予定。FOMCでの投票権を持つ重要な存在になる人物。金融危機時には、実務の陣頭指揮を取る可能性すらあります。
総裁は、2018年5月雇用統計の結果から、労働市場が力強く、成長の勢いが持続し、インフレ率がFRBの目標水準に地下ことから、今後2年間で緩やかな利上げを行うとう方針を継続すべきと話しています。
6月のFOMCで、0.25%利上げを行い1.75-2.00%とした場合、ウィリアムズ総裁の考える中立金利2.5%に近づく。FF金利がこの中立金利を超えると米経済は減速する可能性あり。しかし、米経済が強く、インフレ率がFRBの2%目標を上回れば、中立金利を超える可能性があると付け加えています。
FRBの利上げ継続理由
- 5月の平均時給:前年比2.7%上昇
- GDP:NY連銀の予測モデルは約3.3%、アトランタ連銀は4.8%
- さらに、減税や政府の財政支出増加が、今後、成長・賃金・インフレを押し上げる
年内の利上げは後、2~3回。さらに来年も利上げというウィリアムズ総裁の予想。この通りになれば、日米金利は、大きく拡大し、米ドル/円も短期的にドル高円安に傾くことになるでしょう。
リスクは、貿易戦争と今回の記事では、指摘されていませんが、【行き過ぎた米ドル高による世界経済の変調と米経済の減速。】
米国のGDP&インフレ率が好調な間は、利上げを行うというのがFRBのメッセージと受け取れます。ただし、過度な米ドル高を抑えるために、常に何かの動きがあると予想しています。
日銀のインフレ目標&円安達成は、米国経済が減速するまでが最後のチャンスになるでしょう。
◆米ドル/円の月足 アイネットFX 2018年6月4日
平均足が陽線に、DMIも買いのパワーが上昇中。とはいえ、MACD・一目などは横ばい状態。110円前後は、月足チャートで見た場合に居心地の良い水準。