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  1. ユーロと欧州
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2018年のドイツ景気はダウントレンド入りへのアラートが鳴り響く前兆か!田中理氏は、繁栄方程式の変化を指摘

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世界経済の減速、なかでも欧州のドイツで景気ダウンが心配されています。FXではユーロが大きく失速したため、米ドルの上昇が顕著。

米国の景気は好調でも、内向き化しているために、新興国や欧州は、しばらく厳しい時期が続くかもしれません。

バルチック海運指数は8カ月ぶりの低さ⇒輸出や景気の指標。

楽観論は、北半球の冬が寒かったことや復活祭の時期が早まった影響を指摘。

2018年のドイツ景気はダウントレンド入りか

さて、どちらの見方が正しいのでしょうか。

第一生命研究所の田中理氏の見解を見てみましょう。

ドイツ経済の競争力に陰り

寒波やインフルエンザ・人手不足などがドイツ景気にマイナスだったとの見方が一般的。

しかし、田中理氏が説明するように、かなりの落ち込みを見せています。

◆ドイツの経済指標2017年12月と2018年4月の比較

  • 貿易収支:181億ユーロ⇒184(2月)
  • 消費者物価指数(前年比):1.7%⇒1.6%
  • GDP前年比:2.3%
  • ZEW景気指数:17.4⇒-8.2
  • IFO景況指数:117.2⇒102.1
  • 製造業PMI:63.3⇒58.1

特に、製造業PMIや景気関連の数字が落ち込んでいるのが気になります。過去の例からは、景気後退のシグナルと考えてもよいレベル。

とはいえ、このところの景気指標の継続的な落ち込みには目を見張るものがある。IFO景況感が3カ月以上連続で低下したのは、現系列が入手可能な2005年以降で過去に6回ある。このうち4回は同時期かその直後に実質国内総生産(GDP)成長率がマイナスに転落し、1回はほぼゼロ成長に減速した。田中理:ロイター

欧州の病人【ドイツ復活の理由】が崩れる?

1.シュレーダー政権の労働市場改革

2.欧州統合で域内の分業体制と5億人マーケットの確保

3.中国への接近で、新興国需要を取り込んだこと

4.貿易立国化し、グローバル経済の恩恵を受けた

この好調な理由が、はげ落ちつつあるのが、ユーロとドイツに心配なところ。

ユーロ圏は、債務危機でのダウントレンドから復活し、成長が持続。

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しかし、ユーロ圏の景気拡大は5年目となり、昨年のGDP成長率は2.5%。潜在成長率が1%台前半とされる中で、出来すぎた好調ぶり。つまり、そろそろピークをつけておかしくない状況。

中国への深入りは、中国の景気悪化に影響されやすい。

トランプ政権の米貿易赤字削減=貿易戦争の標的は、中国そしてドイツ。巨大な貿易黒字を抱える両国こそが赤字削減をしなければならないというトランプ大統領の主張。ドイツは、弱いユーロの恩恵を享受して、欧州内の諸国に対する黒字も大きい。

ちなみに、鉄鋼&アルミニウムの輸入制限の適用除外は6/1まで。マクロン&メルケルの両首脳が訪米して、トランプ大統領と会談するも貿易に関しては、欧州によい話にならなかった様子。

悩むECB:景気とインフレは鈍化と認めるのはいつ?

これで、ECB理事会の運営は難しくなりました。もともと、ECBの権限はFRBよりも弱く、各国が自国の都合を押し付ける&ユーロが共通なだけで政治経済の統合が終わっていない状況。ドイツの景気ダウンを一過性と見るか欧州諸国全体のダウントレンド入りと見るかドラギECB総裁の悩みは増える一方。

◆コンスタンシオECB副総裁 5月4日
「インフレの低迷で、刺激策縮小の慎重姿勢は必要」
「大規模なバランスシートの維持は、幾つかの利点がある」
「金融政策は、従来型のアプローチに戻ることで有効性を保てない」

◆プラートECB理事 5月7日
「ユーロ圏の経済指標やや緩やかになりつつある部分あるが、依然として堅調で広範な拡大が見られる」
「総じてみれば相応な緩和が依然として必要」

◆スメッツ・ベルギー中銀総裁 5月7日
「夏過ぎにも、刺激策を終了することが望ましい」
「7/26の理事会後、債券購入プログラムの段階的な解除を恐らく宣言するだろう」

外為どっとコムのFXブログからECBの要人発言を確認してみました。その姿勢はまちまち。

欧州経済は、景気悪化すれば、またもや南欧州を中心にユーロからの離脱やECBの権限批判=民主主義の定義といった問題が出てきます。

2018年の世界経済は、米国の好調と米ドル高に対して新興国&欧州の景気悪化がテーマになってきました。ドイツの景気ダウンが本物か確認を怠らないようにしなければ。

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