2018年に入り、世界的な株価の暴落・FXの米ドル安円高など、大きな変化が起きている金融市場。株の変動率も拡大しており、ゴルディロックスの終わり、新たな弱気相場入りと予想する投資家も出てきました。
今回は、TEDスプレッドの拡大と米投資家のピーター・シフ氏が提唱した弱気相場の入り口を確認。
米株式市場のボラティリティはアップ!
NYダウは、1月の2万6616ドルが最高値として調整中。日足・週足で見ると、確かに日々の変動幅がかなり大きくなっています。
◆NYダウの動き:月足・週足・日足チャート 2018年3月30日
GMOクリック証券のCFDチャート
トランプ政権の打ち出した保護貿易施策・相次ぐ要人の辞任や解任・FRBの利上げ及び長期金利の上昇などが要因で、FX&株式市場は、迷いを見せています。しかし、経済指標などのファンダメンタルズには大きな変化なし。
問題は、今の市場が、一時的な調整なのか大きく下落するバブル崩壊なのかという点。
TEDスプレッドの拡大
この点で、TEDスプレッドについてのニュースを見てみましょう。
◆TEDスプレッド:3カ月物米国短期国債(T-bill)金利と、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)3カ月物ユーロドル(Euro Dollar)金利との金利差。信用不安が高くなると、米国債が買われて金利は低下、ユーロドルの方は売られて金利は上昇することから、信用不安のバロメーターになる。
QUICKの記事では、現状の拡大を市場の需給ではないかと考え、まだ煙に過ぎないとみている様子。2007年8月にパリバショックが起きる前にもTEDスプレッドが拡大。金融市場での信用不安が顕在化した最初の事件。その後、サブプライムローン問題が本格化し、リーマンショックから世界金融危機へとつながりました。
足元のTEDスプレッドの拡大について、過去最高水準の米短期債発行やアジアの投資家による大口の短期債売りなど、市場の需給関係から説明しようとする動きが多い。ゴルディロックス(適温)相場に長く慣れてきただけに、信用不安やクレジット・バブル崩壊といった衝撃的な言葉には距離を置きたいのが本音だろう。しかしTEDスプレッドの拡大は信用縮小の兆しとなり得る単純な考え方を覆すのは難しいかもしれない。米ハイイールド債価格のじり安基調は、いかにもきな臭い。TEDスプレッドの拡大
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◆TEDスプレッド:TED Spread (TEDRATE)FRED 2018年3月22日:0.60
このところ、TEDスプレッドが急上昇。
2016年6月23日に英国ブレグジットの国民投票でEU離脱決定で市場の金融不安が拡大。11月のトランプ大統領の当選で結果的にトランプラリーがはじまり、株価は大幅に上昇しました。
ちなみに、TEDスプレッドは、2007年の水準に比べると2018年3月のレベルは、まだまだ低い。
ピーター・シフ氏は米株式の弱気相場入りを予想
ピーター・シフ氏は、株式市場が弱気入りしていると指摘。下落の理由は、バブル崩壊だとのこと。
ファンダメンタルズが良好であることに変化はなくても、そもそもここまで株式市場を押し上げてきた理由がバブルである。つまり、ファンダメンタルズの変化に関係なくバブルは崩壊する。トランプ関税などの問題はきっかけに過ぎない。
シフ氏はPodcastで米市場がすでに弱気相場入りしていると話した。 10%の調整なのか20%超の弱気相場なのかは定義の問題であり、将来振り返った時、今はすでに弱気相場の入り口であったことになるだろうと予想している。
いつものように弱気予想を述べておきながら、この日の弱気度は限定的だった。 予想はあくまで軽度の弱気相場だ。「なぜならFRBがどこかで介入し市場を救済するか、あるいは少なくとも救おうとするからだ。」フィナンシャルポインター
しかし、シフ氏自身、極端な下落相場になる前にFRBが介入すると考えている様子。もし、NYダウが20000を割り込めば、何らかの介入を行い金融市場を救済するだろう・・・となると。考えられるのは、利上げの停止・ひどい場合は利下げ・緩和という路線になります。
FXは、大幅な円高に見舞われるリスクを頭に入れておいた方が良さそうです。