2017年12月のFOMCで、FF金利を0.25ポイント引き上げて1.25-1.50%とすることを7対2の賛成多数で決定しました。これで、2017年は三回目の利上げとなり、2018年も3回、2019年も3回の利上げが予想されており、2.8%まで上昇する見通し。
FX市場では、利上げが予想されていたものの、年3回の利上げ予想がややハト派的などの理由で米長期金利・米ドルは下落。
米10年債金利は2.4%超えから、2.38%に下がりました。
米12月FOMCの結果
- データは、労働市場の強化・経済活動が堅調に上昇していることを示している。
- 家計支出は緩やかに拡大し、最近の四半期は設備投資が加速
- 12ヵ月ベースで、食料とエネルギー以外の項目の全体的なインフレは低下し、2%を下回っている。
- ハリケーン関連の問題は、長期的な影響はなし
- 労働・経済は強くなり、インフレ率は短期的には2%を下回るものの中期的には2%に達する
- チャールズ・エバンス及びニール・カシュカリは反対した。
イエレン議長は、来年に退任するために最後の記者会見となる。
世界経済は好調で、拡大期の中にあり、経済見通しを楽観していると話しました。
- 2018年の成長率は2.1%から2.5%に成長を予想。インフレ率はそのまま
- インフレ率は来年も2%をやや下回る
- 2020年にはインフレ率が3.1%に上昇すると予想
- 2018年3回、2019年2回の利上げ
市場では、大手銀行が、2018年の利上げ回数を4回と予想している筋も多く、3回となったことで、米金利・米ドルは下落。しかし、市場全体としては、利上げ回数は1~2回との見方が優勢。
FRBは来年は3回、もしくは4回の利上げがあるとの見方を示しているようだが、市場では1回、もしくは2回にとどまるとの見方がなお優勢となっている。この相違には埋め合わせが必要だ。FRBが市場予想に沿うか、市場がFRBの方針に適応するかのどちらかとなる。ロイター
これで、イエレン議長の役割はほとんど終り、インフレ率に関する謎と更なる舵取りは後任のパウエル議長に任されることに。FXにとってイエレン議長はかなり優秀なFRB議長で、大きな市場混乱を招くことは少ない人物でした。
後任のパウエル議長は、イエレン議長の路線継続を行うと見られていますが、イレギュラー・危機に直面した時にどのような行動を取るかに対しては、不安を持たれています。
◆12月FOMCでの利上げ決定後に下落。 米ドル/円の日足チャート アイネットFX
108円~115円のレンジ内で推移。
世界経済が好調である限り、緩やかな利上げが続きそうで、しばらくは米ドル/円のレンジが続きそうな気配。