しばらく、112円~113円台で動いてきた米ドル/円、衆議院選挙明けには、為替相場を動かす材料が多いため、上下どちらかに抜ける可能性があります。
みずほ証券のチーフFXストラテジスト、鈴木健吾氏はロイターにて115円を超えて120円を目指すと予想中。
FXサイトの目次
2017年10月後半のFX重要イベントスケジュール
- 10月22日:日本の衆議院選挙
- 26日:ECB理事会
- FRB次期議長指名
- 31日:日銀金融政策決定会合
- 11月1日:FOMC
- 11月3日:米雇用統計
米ドル/円の日足チャート:2017年10月22日 アイネットFX
113円台を突破してきた米ドル/円。上向きトレンドの再開なるでしょうか。金融政策の違いから113円から115円そして120円を超えると鈴木氏は主張。
日本の衆議院選挙:2017年10月22日
小池氏率いる希望の党は、政策に対する不安・都政放り出し・民進党への踏絵などで失速してしまい自民党の勝利が優勢。
このまま、自民党が勝った場合、金融市場への影響はどうなるでしょうか。
自民のデフレ脱却・アベノミクスによる金融緩和は市場フレンドリーのため、株高円安要因。勝利の度合いで相場の動きは変わります。
FXストラテジストの鈴木健吾氏は下記のように予想
- 2/3となる310議席を抑えれば、株高円安
- 過半数の233~安定多数の244程度だと、少し株高円安
- 過半数割れだと、リスク回避の円買いと株安
次期FRB議長について:11月3日頃までに?
さて、このところ、為替相場の動向を左右しているのが次期FRB議長。金利上昇(タカ派)のテイラー氏やウォルシュ氏が有力との話が出ると金利が上がり、パウエル氏が有力になると現在の緩やかな利上げ路線で金利は下がります。
イエレン議長の続投は金融市場が安心するも、金融規制との関係で大統領と考えが違い再任する可能性は低いとの見通し。
- パウエル理事は共和党員であり有力候補。金融政策の継続性からも問題なし
- ウォルシュ理事は、過去に量的緩和に反対したこともあり、金利を上げたいタカ派
- テイラースタンフォード大学教授は、テイラールールに基づき、政策金利を高くする可能性がある。
ウォルシュFRB理事だと、1円程度、テイラー教授だと、2円程、円高の可能性あり
トランプ大統領は、テイラー教授のテイラールールに感銘を受けたとの報道も出ていました。ただし、理論としては感銘を受けても、硬直したルールでの金融政策はビジネスマン気質のトランプ大統領の肌合いには合わないのではないかなと思います。
ECB理事会は資産購入規模の縮小が決定されると予想
10月26日のECB理事会は、現在の月額600億ユーロの購入規模を200億ユーロ程度に縮小し、期間9か月程度延長するとの見方が有力。本来は、金融引締め効果でユーロ高要因も織り込み済み。さらに、ユーロ高を防ぐために資産購入規模の拡大を選択肢として残すと予想されており、大きなユーロ高にはつながらないとの見通し。
ECBは、ユーロ高を望んでおらず、ユーロ安による景気回復を期待している節があり。
さらにカタルーニャ情勢も混乱したまま。さすがにカタルーニャ独立は、EU側が歓迎しておらず難しそう。ゴタゴタを続けた後、一定のカタルーニャ自治を認める方向で落ち着くのではないでしょうか。
ただし、中長期的には対円でのユーロの上昇は続きそうという鈴木氏の見方。
年初めには月額800億ユーロの資産購入額⇒4月から600億⇒2018年は200億⇒2018年9月以降はゼロ⇒こうなると引締めのECBに緩和の日銀。
日銀金融政策決定会合:2017年10月30・31日
日銀金融政策決定会合では、消費者物価指数の前年比プラス2%の目標を達成するために、強力な緩和政策を続けていく姿勢を継続するでしょう。
ということで、鈴木健吾氏は、金融政策方向性の違いにより円安が続くと予想。
特に、過去5年間の10-12月は、ドル円の値動きが平均で12%と比較的、動くことが多い時期。そのため鈴木氏は、米ドル/円が上昇トレンドにのり、115円を超え120円を目指す動きをするのではないかと予想。