高金利通貨をスワップポイント狙いで買うFXのキャリートレードを行うチャンスかもしれません。JPモルガンの佐々木融氏が、円キャリートレードの増加を予想しています。
世界の経済成長率増加とボラティリティ―の低下が生じており、円が弱くなる可能性が高いという。
低ボラティリィ―と世界経済の成長で円キャリートレードの可能性
ボラティリティ―が低くなると、世界中の投資家が低金利通貨を売り高金利通貨を買うキャリートレードを行う。すなわち、低金利の日本円は売られると指摘。
低金利通貨を売って、高金利通貨を売れば、黙っていても金利差が収益として得られますからね。(金利差=FXのスワップポイント)
- 2017年の世界における実質GDPの伸びは、前年比率+3.2%程度
- 2012~2016年まで5年連続で非常に狭いレンジ
- 1990年代前半以降、安定成長が続いたことはない
- 景気拡大期も長期化
- 米景気拡大は100か月目
- FRBの利上げ局面も10月で23か月目でかつペースが遅い。
アクセルもブレーキもない自動運転者
この状況の中、インフレ率は鈍化し、先進国のインフレ率は1.3~1.5%と低いまま。景気拡大でもインフレ率が低いため、利上げペースが遅いという現状。
そのため、中央銀行が利上げを行わず、景気拡大が長期化する可能性を佐々木融氏は指摘しています。アクセルもブレーキもない自動運転車のようだと。
もし、このまま景気拡大が続けば、円は弱いままと予想できるため、クロス円での円安基調が継続。ただし、円キャリートレードが広まった2006-07年に比べると金利差は約半分に過ぎない。それゆえに、今回は、高金利を求めて新興国通貨や高配当株に流れる可能性がある。
当社が算出する世界の政策金利の加重平均値と、日銀の政策金利の差は現在230bp程度である。これは、円キャリートレードが最も活発化した2006―2007年の400―450bpに比べると、半分程度の金利差だ。
従って、今回の円キャリートレード局面では、高金利を求める資金がより多く新興国通貨に流れる、あるいは高配当株などが買われるようになるのかもしれない。円キャリートレードの可能性
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◆クロス円の日足チャート FXネオ GMOクリック証券
2017年10月15日
南アフリカランド/円・豪ドル/円・NZドル/円などは反発しています。
◆FXネオのスプレッドとスワップポイント
以前は、金利差が大きくFXキャリートレードの花形だった英ポンド/円のスワップポイントは11円。米ドルの40円より低くうまみは少ない。やはり、南アフリカランド/円やNZランドドルなどにマネーは向かう可能性あり。
安定した経済成長と低ボラティリティ―のなか、投資家のマネーが新興国や高配当株に向かい、株価が上昇していく可能性を佐々木融氏は予想。
さて、中央銀行はインフレ率を重視して、利上げを緩やかにしか進めない中、いよいよ過剰なマネーは新興国や高配当株に向かうのでしょうか。しばらくは、続きそうな気配がします。価値の裏付けや価格の変動が激しすぎて、決済手段として厳しいビットコインの上昇も続いていますしね。
その中で、大事なのは、FXの円キャリートレードが永遠に続くことはないってこと。短期的には、高金利通貨は金利差を狙ってマネーが集まるために上昇。ところが、長期的には、高金利通貨=高インフレで下落するというのが為替相場のセオリー。高金利通貨はブームが終わると下落。
そのため、バブルやブームが終わる前に上手に逃げださなければいけません。