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トランプ大統領は、低金利と規制緩和のどちらを優先して次期FRB議長を選ぶのか?

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次期FRB議長次第で、金融政策の方向性に変化が生じるでしょう。場合によっては、為替・株式相場が大きく荒れるリスクを抱えています。現議長のイエレン氏が再任されるのが最もリスクの少ない方向性。

トランプ米大統領は、いったい、誰を選ぶのでしょうか。そろそろ候補者は絞り込まれており、ブルームバーグに5人の有力候補が紹介されています。2018年2月のイエレン議長の任期満了に備えて、そろそろ後任議長が決まる時期で、10月中に明らかになると予想されています。

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トランプ大統領が指名する次期FRB議長の有力候補は?

次期FRB議長を選ぶ上で、金融政策と規制緩和に対する考え方がポイントになります。

◆米国のNYダウ・米ドル/円・米10年債の月足チャート:2017年10月11日

NYダウと為替の動き

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トランプ大統領は、低金利&規制緩和を望んでおり、合致する人物は意外に少ない。

ハト派:低金利の候補

ジャネット・イエレン議長

2014年2月に就任して以降、低金利政策からバランスシート縮小までを導いてきた現議長。株式市場・雇用市場を見る限り、再任しない理由はありません。

トランプ大統領の好む低金利を支持し、緩やかな金融引締めを実行している手腕と実績は素晴らしいと思います。銀行規則の強化には賛成しており、その点はトランプ大統領と反する考え方。

次期FRB議長としてのマイナス面:オバマ前大統領の指名であること。オバマ氏の金融規制に賛成していること。学者肌のイエレン氏に対してビジネスマンを好むトランプ政権の意図。

ゲイリー・コーン氏

タカ派とハト派のどちらか判断に迷うところ。ゴールドマン・サックスグル―プの社長を務めていた経験を持ち、低金利を好むだろうと予想されています。

トランプ大統領の税制改革をはじめとした政策に協力しており、低金利&規制緩和&財政出動の現政権との相性は良い。

次期FRB議長としてのマイナス面:シャーロッツビルでの衝突事件で、大統領と仲たがいしたと言われており、最有力候補から後退。サブプライムローン危機からリーマンショック時の経営幹部である点が問題になるかもしれません。

ジェローム・パウエル氏

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によると中立からハト派の間に属する。低インフレの状況の中、利上げを急ぐ必要はないという立場。金融危機後の規制については、成果を大事にしながら、更なる効率化が可能という。

ムニューシン財務長官は、パウエル氏を支持すると言われており、金融政策の継続性からも、満足できる人選だと思います。

次期FRB議長としてのマイナス面:金融規制改革を支持しているように見える点。トランプ政権が金融政策の変化を望んだ場合には、継続性がマイナスになる。

ニール・カシュカリ氏

ハト派で知られるミネアポリス連銀の総裁。現在のFRB関係者で最もハト派な人物の一人。

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次期FRB議長としてのマイナス面:かなりのハト派であり、金融市場には優しくてもバブルを醸成する可能性。規制緩和をはじめとするトランプ大統領との関係には疑問。

ガントラック氏の予想はカシュカリ氏というわけである。中央銀行のトップを任せられる経験を持ったハト派の人物と言えば限られてしまう。それは現状ではカシュカリ氏か、同じミネアポリス連銀の前総裁のコチャラコタ氏ぐらいだろう。だからガントラック氏の予想は論理的であると言える。しかし、そうなれば銀行への規制緩和の方が疎かになってしまうだろう。トランプ大統領がどちらを選ぶかである。次期FRB議長候補のカシュカリ氏

ダークホースながら、トランプ大統領がとことん低金利を望んだ場合に、指名されるかも・・・ミネアポリス連銀とカシュカリ氏

タカ派:高金利の候補

ケビン・ウォルシュ氏

さて、ここからは、金融政策に大きな変化をもたらす可能性のある候補者が続きます。

ウォルシュ氏は、上昇する資産価格の警告を発しており、金利上昇を求めるタカ派の人物。バーナンキ議長の元でFRB理事を務めていた時には、QE2に反対を表明していた過去もあり。

株価上昇が金融緩和によって支えられたもので、実体経済に基づかないものであれば、そんなものはなかった方が良いとウォルシュ氏は言っているのである。現在、米国の実体経済がはっきり好調と言える中、ウォルシュ氏が議長になったとすれば、バランスシート縮小と利上げを推進しない理由があるだろうか?量的緩和に反対したウォルシュ理事

量的緩和に反対した経緯は、上記のグローバルマクロさんの記事に詳しい。

ウォルシュ氏は、規制緩和に対して大幅な改革を求める立場で、トランプ大統領の立場に近い。妻は、エスティローダーの重役で、義父はトランプ大統領の友人であるロナルド・ローダー氏。

次期FRB議長としてのマイナス面:インフレ懸念に対する警戒心が強く、金融政策への理解度・継続性に大きな疑問が付く。上昇した株式相場の大幅下落が起きる可能性あり。

ジョン・テーラー氏

テーラー・ルールの考案者。一定のルールに則った金融政策を求める人物。彼が就任すれば、政策金利はもっと高くなると予想されています。

規制緩和が成長のカギであるという考え方は、トランプ政権と同じ。

次期FRB議長としてのマイナス面:高金利に導いた場合、経済成長率と株価に大きなダメージを与える可能性あり。

 

トランプ大統領が低金利を優先するならば、パウエル氏やカシュカリ氏。規制緩和の方を重視するならば、ウォルシュ氏やテーラー氏が有力候補。

低金利&規制緩和の組み合わせは、短期的な経済成長・株価上昇にはプラスですが、副作用が大きい。規制・高金利というハードルの少ないイケイケ経済になりますからね。

次期FRB議長に誰を選ぶかで、トランプ氏が低金利と規制緩和のどちらを優先するかがはっきりします。

米ドル・株価のゆくえは、次期FRB議長候補で大きく変化するでしょう。

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