ついに、バランスシート縮小を決定したFRB。ここから量的緩和の巻き戻しが起きるのか。為替・株式に大きな影響を与えないまま出口戦略を成功させるのか。
それ以外の要因もありながら、2017年秋に新たなステージがはじまります。金融専門家たちの意見をまとめてみました。
◆GMOクリック証券のFXネオ、米2年債&10年債の月足チャート
米10年債の金利がようやく上昇に乗り始めるかどうかのポイントに差し掛かっています。このまま上昇していけば、日本の金利が抑えられている以上、円安に動く可能性が高くなります。黒田日銀にとってインフレ目標達成のラストチャンスかもしれません。
バイロン・ウィーン氏
企業収益の好調で株価は上がるだろう。FRBは、利上げぺースを緩やかにして、不況を起こさせないようにするのが最良。財政政策は、小さな政府を志向する共和党が支配する議会において、充分な規模にはできない。
楽観的な予想をするバイロン・ウィーン。グローバル化と技術革新が低インフレをもたらしており、世界中で資本が溢れているのが低金利の理由と考えている。
ジェフリー・ガンドラック氏
FRBのバランスシート縮小で、債券市場は、新たな展開に。
米国債が弱く金利が上昇。まだ、今の段階では、米金利が下がりにくくなっているというレベルだが、上昇気流に乗る可能性があると指摘。
ジェレミー・シーゲル氏
量的緩和の巻き戻しプラス財政赤字の吸収をできるのか。FRBが減らした債券保有を誰が引き受けるのか?
- 米債券市場の需給が緩む可能性がある。
- 米国債投資に、各国投資家が満腹感あり
- トランプ大統領は、米ドル安を歓迎
米債が売られるリスクあり。
せっかく買った米国債もドル安で目減りするリスクがありますからね。為替ヘッジにもコストがかかりますので。FXで米ドルを買っても安くなれば為替で損失を出せば、意味がありません。米ドル&米債券のお腹いっぱい感も仮想通貨ブームの主因でしょう。
しかし、あまりにも金利が上昇していけば、おそらくFRBは、金融引締めを中止して、緩和方面に舵を切り直すでしょう。緩和という蜜を市場&政府も求めることが予想できます。
株式については、法人税改革で、10%は上昇する
グローバル・マクロ・リサーチ・インスティチュート
一つ、不確定事項として、大きな問題が残っています。フィッシャー副議長の辞任。イエレン議長の任期切れ。そうなると、後任次第で、金融政策の方向性が変化する可能性があります。
量的緩和は、市場・国民のモラルハザードを生む。金利はできるだけ自然に任せるべき派が台頭したり、もっと低金利を維持して、米国のインフラを今の内に復活させよう派をトランプ大統領が押せば、大きく市場は揺らぎます。
ドル相場は今後数ヶ月、量的引き締め開始の余韻を引き継ぐだろうが、2018年2月が近付くにつれてこの大きな問題を徐々に認識してゆくだろう。大雑把に言えば、ドル相場は量的引き締めで上がり、イエレン議長の任期終了で急落し、そして2018年後半にはトランプ政権のインフラ投資政策でもう一度上昇することになる可能性が高いと見ている。FRBのバランスシート縮小の影響
その辺りをグローバル・マクロ・リサ―チ・インスティチュートでは指摘。