世界経済は回復しつつあるのかバブルなのか?様々なリスクをはらみながら、ユーロからの離脱は英国のみにとどまり、欧州経済は回復傾向、米株価は上昇し続けています。エコノミストでは、ゴルディロックス経済をスーパー適温経済と表現しています。
熱すぎず冷たすぎずちょうど良いおかゆを少女が食べたことがゴルディロックスの由来。
なかなか、米国の長期金利は上がらずに、為替市場は円高に推移していることから、FXトレーダーはやきもきしている人が増えています。
スーパーゴルディロックス経済とは
失業率は下がり続け、株価は上昇するもインフレ率は上がらない。そのため金利も上がらない。これが今の世界経済の特徴で、インフレ率2%目標すら高すぎるのではないかと言われ始めている程。
インフレが起きないため、FRBの金利上昇ペースは緩やか。
インフレ期待や経済成長への期待が弱く、原油価格もシェールオイルの出現や代替エネルギーの出現で上がりにくくなっています。
米国経済のサイクル=短期金利が長期金利を上回った後にしばらくして景気後退。ところが、現在は1%以上の開きあり。
◆長期金利と短期金利の開き:2年債と10年債の金利 2017年8月14日
GMOクリック証券のFXネオ
- 日本のバブル崩壊:1991年
- アジア通貨危機:1997年
- 9.11テロ、ITバブル崩壊:2001年
- リーマンショック:2008年
エコノミストによると上記の時期が長短金利差が逆転したタイミング。
このゴルディロックス経済は、2019年まで続く可能性があるとの見通しもあるほど。もし、この景気拡大局面が続けば、米株式が更なる上昇となるかもしれません。
世界経済の景気は良好
ソニーフィナンシャルホールディングスの渡辺浩志氏は、世界経済の景況感と高い相関を持つ3つの要素が堅調と主張
2017年4-6月GDP成長率(前期比年率)
- 米国:2.6%
- 日本:4.0%
- ユーロ:2.1%
昨年(2016年)半ば以降から回復を見せている世界経済のけん引役は3つ
- 中国の拡張的経済政策:2014年末から金融緩和
- 資源価格の底入れ:原油価格は100ドルから急落したが、産油国の減産等で50ドル近くまで戻している
- ITデジタルサイクルの回復:AIやIoTによる次世代需要が増加
世界の景況感は、昨年末から今年にかけてピークを打った。その理由として、渡辺氏があげているのは、中国の経済政策が昨秋に引締めに転じたことや資源価格の弱さ。
ただ、中国人民銀行は、5/12以降に、引締めを見直し、流動性を供給したことで、回復基調にあり。ITデジタル産業は、個人消費の好調に支えられてこれからも好調が続くと分析。
今後の世界経済は、安定成長へと移行して、低インフレ及び緩やかな金融政策の元で景気回復が長期化するというシナリオ。
現在の世界経済には、バブルにつきものの熱狂はなく、低インフレでじりじりと成長が続いています。この理由を新しい経済の仕組みに入ったことが原因と言う人も増えています。
もっとも、以前のような高成長を世界全体が行えば、環境に対する負荷が高くなりすぎ、水・食料・エネルギーの三つが足りなくなるでしょう。緩やかな成長の元に解決策を見つける芳が現実的だと思います。
AIの発達・シェアリング・資源不足(争奪ではなく共有と新エネルギー開発へのベクトル変化)が、ゴルディロックス経済の原因なのでしょうか。現在の状況がバブルかそうでないかは、まだこれから・・・
雇用不足がインフレを生み、金利上昇の引き金になるかゴルディロックスの継続か・・・FX・株式に注目しておきましょう。そして、長短金利差の推移はGMOクリック証券のFXネオにある比較チャートで見るのが便利です。