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日銀の指値オペで金利コントロールの意思が明確に!米ドル/円は円安に動く。

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七夕の2017年7月7日に、日銀は国債買い入れの指値オペを実行。米ドル/円は、円売りが優勢になりました。すわ介入かと驚かれたFXトレーダーも多いのではないでしょうか。

今回は、日銀の指値オペについて、勉強してみましょう。

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日銀の国債買い入れ&指値オペについて

このところ、世界各国の中央銀行は、デフレ圧力との戦いに成功をおさめつつあることを宣言。金融引締め路線を明確にしています。そのため、金利が上昇し10年物国債金利は、一時、0.105%まで上昇。日銀の金融政策としては、10年債金利をゼロ%程度、(だいたい0.05%あたりになることが多い)に抑えることを目的にしています。

そのため、今回の金利上昇(国債価格下落)を見て、5カ月ぶりに指値オペを実行して長期金利上昇を抑えました。

となると為替相場は、日本の金利は上がらない。米国の金利は上がると、日米金利差が広がるとの想定で、円売りドル買いに動きました。つまり、円安の流れです。今回は、指値オペとともに、臨時の国債買入れ&定例の国債買い入れを同時に行い、金利を抑えるという姿勢を明確にしています。

●米ドル/円の30分足チャート:GMOクリック証券のFXネオ

日銀の指値オペと米ドル/円

7月7日午前10時10分の金融調節で国債買い入れオペと指値オペを通知。

金利を低く抑えて円安誘導⇒インフレ目標実現というシナリオを守る姿勢を明らかにしました。

過去の日銀が実行した指値オペ

2017年7月10日現在:3回実行しています。

日銀の指値オペ実行タイミング

●1回目:2016年11月17日:トランプ米大統領の誕生によって、財政支出と金利上昇が懸念されたタイミング

●2回目:2017年2月3日:トランプ米大統領の円安誘導批判などの後に、日銀の意思を示す形。

YCCは、短期金利(翌日物)をマイナス0.1%、長期金利(10年国債利回りJP10YTN=JBTC)はゼロ%程度にするよう国債買い入れを進める政策。YCCの導入と同時に指値オペの導入も決めたが、長期金利がどの程度ゼロ%からかい離すれば実施するのか日銀は明示していないため、市場では様々な思惑が交錯してきた。ロイター

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日銀の許容上限は、0.15%程度だと、この時は認識されています。ところが、今回は・・・

今回が三回目であり、0.105%での指値オペということで、個別の金利水準も大事ながら、世界経済全体の動向を見据えていることが明らかになりました。

長期金利のコントロールはできるできない?

この指値オペ・・・必ず成功するとは限りません。

日銀自身が、中央銀行は短期金利はコントルールできても長期金利はコントロールできないとしていました。

ところが、2016年1月に日銀が始めたマイナス金利付き量的・質的金融緩和で実行したマイナス金利&大規模な国債買い入れの組み合わせによって長短金利のコントロールが有効と検証したのです。

わずか半年程の経験ですから、金利が大きく急騰するなど異常事態に対処できるかは不明のまま・・・

2016年(平成28年)9月に日本銀行は、「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)」を導入しました。具体的には、日本銀行当座預金の「政策金利残高」に適用する金利を短期の政策金利とするとともに、長期金利については、10年物国債金利の操作目標を示して、これを実現するように国債の買入れオペを実施しています

日銀:長期金利のコントロールはできる?

債券の専門家、久保田博幸氏は、BLOGOSで下記のように語り、その危うさを指摘しています。

日銀が本来制御できないとしていた長期金利をコントロールすることにより、日本の国債市場が衰退してしまうのか。それとも現実に日本の長期金利は日銀が制御できなくなり、日銀の金融政策そのものが意図せざる金利の乱高下を招いてしまうのか。日銀の長期金利操作

あくまでも、物価・金利上昇率の低い今だからこそ、可能な金融政策で、金利が急上昇した場合に、どこまでも国債を買い入れることはできないと指摘。

また、金利を市場が決めるのではなく、日銀が決めるのであれば、国債市場の必要性はなくなります。そして、人為的に日銀が金利を決めることで、金利の体温計的役割を失い、どこかもしくは時間的な歪みが生じるのではないかとも説明。

現在は、金利の乱高下ではなく国債市場の衰退の方へと向かっています。しかし、これから、世界各国の金利が上昇していくであろうと予想される中、日銀がどこまで長期金利のコントロールをできるのか、いよいよ黒田日銀の異次元緩和のフィナーレが近づいてきたように思います。

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