ゴールドマンサックスは、6月にテクノロジー株の強気相場に疑問を投げかけることで、株式相場を冷やしています。さらに、ECBをはじめとした中銀の金融引締めの動きによって、欧州の株価は下落しました。
ゴールドマンサックスのロバート・ボロージェディ氏&デビッド・コスティン氏は6月に相次いでレポートを出して米株調整の可能性を示唆しています。FXにも株価は影響大ですから、しっかりと見ておきましょう。
米テクノロジー株の下落は本当か?
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●各市場の株価週足チャート 2017年7月3日 GMOクリック証券
米株は、一時的な調整場面はあったものの強さを維持。欧州株の方が調整局面入りしています。
米株は、調整という予想と強気予想が混在。米株高を牽引しているFAANGのゆくえ次第というところ。
ゴールドマン・サックスをはじめとしたテクノロジー株の下落予想
デビッド・P・ゴールドマン氏は、テクノロジー企業が独占企業となり、光と正義をもたらすルーク・スカイウォーカーから邪悪なジャバ・ザ・ハットに変貌したと表現
FAANGの事業(リンク先はグーグルファイナンス)上昇過程での何度かあった調整局面なのかどうか。
- グーグル(アルファベット):検索エンジン&ネット広告
- フェイスブック:ターゲティング広告
- マイクロソフト:パソコンのソフトウェア
- アマゾン:ネット販売
- アップル:奇妙な独占企業
ゴールドマンサックスのデビッド・コスティン氏のシナリオでは、健全な成長&長期金利の低下というおとぎ話は長く続かないと指摘。S&P株価が年末までに4%低下すると予想。代わりに買うべき銘柄として銀行株ではないかと示唆。
株価の大幅な調整が起きれば、為替相場も一気にリスクオフに動く可能性がありますから、FXトレーダーにとっても重要なポイント。
ゴールドマンが予想する3つのテクノロジー株のシナリオはこうだ:
- ありそうにない: ゴルディロックス継続 → 株価アウトパフォーム
- 金利上昇: 強い経済成長 → FRB引き締め加速 → 株価下落
- 低金利継続: 低金利が正しいと判明 → 経済が大きく停滞 → 株価下落
2か3のシナリオになる可能性が高そうです。イエレンFRB議長は、このところ、強気な予想を示していますからね。
MY BIG APPLEよりバロンズの米株調整リスクの記事
テクノロジー株急落の引き金を引いたのは、ゴールドマン・サックス(GS)のグローバル株式リサーチ・ヘッドのロバート・ボロージェディ氏で、マイクロソフトを含めたFAAMGに警鐘を鳴らした。FAAMGの株価上昇により、これらのバリュエーションは1970年代前半のニフティ50、あるいはITバブル期の1999〜2000年を連想させるまでに上昇し、大幅下落の余地があるという。同時にFAAMGの株価上昇は米株相場のボラティリティを低下させ、テクノロジー株をディフェンシブ銘柄にさせたとも指摘した。テクノロジー株の急落 バロンズ:米株の調整サインか?
世界的にデフレからインフレに転換しつつある中で、低かった長期金利は上昇気配を見せています。長期金利が上昇すれば、金利収入が有利になり株式は売られることになります。
●NYダウ・米10年・2年債の金利、米ドル/円
GMOクリック証券
米10年債金利は2.31%まで上昇。いつまで米株価は耐えられるのでしょうか?
米ドル/円は、日本の金融政策に変化がないので、米10年債金利の動きに影響されやすくなっています。米長期金利が上昇していけば、金利差を狙ってのドル高円安の動きが加速するでしょう。