米大統領選挙の時から続くトランプ大統領とロシアの癒着についての問題。FBIのコミ―前長官解任をきっかけに、疑惑の炎が燃え盛っています。
ついに、株価&米ドル/円下落まで起きており、捜査が本格的に始まりそうな気配。もともと。リベラル派が多い米メディアとトランプ大統領は犬猿の仲。ロシア問題を巡るバトルはどちらに凱歌が上がるのでしょうか。
トランプ政権とロシアの癒着問題
マイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、2月に解任されています。政権の誕生前に、ロシア政府とロシアへの経済制裁について協議しており、そのことを正確に報告していなかったとの疑惑がもたれています。そして、トランプ氏とクリントン氏が争った2016年大統領選挙にロシアが介入したのではないかとの見過ごせない疑惑が浮上。
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このロシア介入疑惑をコミ―FBI長官が、詳しく調査をするところで解任されたとの報道があります。
そして、米司法省は5月17日に、このロシア癒着疑惑を捜査するために、ロバート・ミュラー特別検察官を任命。本格的な捜査を行います。もちろん、これは疑惑が真実だからというわけではなく、捜査をきちんと行い事実を明らかにするため。
NYタイムズが報道した内容では、トランプ大統領がコミ―元FBI長官に、フリン氏の捜査に関して「何もするな」と要望を出したとされており、民主党は捜査妨害と指摘。
メモによると、大統領はコミー氏に「この件については何もしないでほしい」と述べたとされ、この関係筋もメモの内容を確認した。フリン氏は、ロシアのキスリャク駐米大使との接触について、ペンス副大統領に虚偽の内容を報告したとして、事実上解任された。コミ―氏に要請
ワシントンポストは、トランプ大統領がイスラム国に関する機密情報をイスラム国に開示したとすっぱ抜き。機密情報を気軽に話すのはいかがなものかということです。しかし、イスラム国を崩壊させることは、少なくとも西側先進国の共通理解のはず。大統領権限の範囲で共通の目的のために情報を伝えることはありですし法的な問題はありません。
一番の問題は、その会談内容がワシントンポストに漏れたこと。誰がどのようにマスコミに話したかの方が問題ではないでしょうか? マスコミのスパイがトランプ大統領の側近にいるということ、マスコミとトランプ政権の対立が、恐ろしいまでに深刻であることの方が重要です。ロシアが大統領選挙に介入していた・・・となると話は別。
トランプ大統領のツイッターより
…to terrorism and airline flight safety. Humanitarian reasons, plus I want Russia to greatly step up their fight against ISIS & terrorism.
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年5月16日
ロシア問題によって、株価・米ドル/円は下落
一部ではロシアゲート疑惑とまで言われ、トランプ大統領の弾劾裁判や辞任・罷免まで進んだ場合は、一時的なポジション調整とドル売りになりえます。それを先取りして、昨夜の17日に株価・為替相場の売りが実行されました。
株式市場は、トランプラリーをずっと継続してきました。債券利回りが下がろうと米ドル/円が下がろうと・・・減税・規制緩和・経済成長率に期待して上昇。それが変化するかもしれませんね。
●NYダウ・米10年債金利・米ドル/円の週足チャート:GMOクリック証券のFXネオ 2017年5月18日
米10年債金利は、12月半ば・3月はじめにピークを付けて下落。米ドル/円は12月半ばにピークを付けて下落した後に、このところのリスクオンで上昇していました。NYダウのみトランプ政権後に一貫して上昇しており、他の市場との乖離が目立っています。
17日のS&P総合500種は、1.8%下落も過去の上昇幅からするとまだまだ。
トランプ大統領とニクソン大統領の違い
トランプ大統領に対する弾劾をニクソン大統領のウォーターゲート事件に当てはめる考え方もあります。また、政権が不安定になるのはリスク要因。
とはいえ、一時的なポジション巻き戻しによる円高や株安がずっと続くかは別の話です。ニクソン大統領は実績ある有能な大統領だったと広瀬隆雄氏が語っている話を引用してみましょう。
ニクソンが辞任したとき、米国株は下げました。しかし、その対比をトランプに当てはめるのは少し注意が必要だと思います。まずニクソンはウォーターゲート事件がものすごく深刻化するまでは、歴代の米国大統領の中でも最も赫々たる業績を上げた、「仕事の出来る」大統領でした。ニクソン大統領との違い
ニクソン大統領は、ベトナム撤兵・日中国交回復・ニクソンショックなどの実績を上げた大統領。それに対してトランプ大統領はまだ何もしていません。それゆえに、トランプ大統領退陣の方が、グローバル企業や金融市場にとっては有利でプラスに働く可能性があります。
●米ドル/円の日足チャート:アイネットFX
FXのペンタゴンチャートを見ると、ちょうど良いところにチャートが到来しています。ペンタゴンの点に到来しましたので、米ドル/円は更に下げるリスクあり。辺に沿って上昇へと転換するかもしれませんが、111円台を挟みリスク大の局面だと思います。