英中銀は、2017年5月11日に政策金利を2019年終盤前に引き上げる可能性を示唆したとのロイター報道があります。
英中銀は、0.25%の政策金利を据え置いたまま。金融引締めで米国に続くのは英国と言われていながら、ブレグジットという大問題が生じたために、現在の緩和政策を維持しています。
英中銀はインフレ率の高さから早めの利上げに動く?
インフレ率は今年3%に迫る見通しで、「賃金が物価に追いつかず、所得の実質の伸びはマイナスとなるなど、家計にとっては一段と厳しさが増すだろう」と述べた。ただ、経済はまだ成長を続け、就業者数は過去最高に達している状況を勘案する必要があるとも加えた。カーニー総裁の会見より
英中銀の成長見通しとインフレ率
●成長率
- 2017年:2.0⇒1.9%に下方修正
- 2018年:1.6⇒1.7%に上昇修正
- 2019年:1.7⇒1.8%に情報修正
●2017年のインフレ率予想を2.7%に引き上げ
中銀は「金融政策は、市場のイールドカーブが示すような緩やかな上昇より、ある程度広い範囲でタイト化させる必要があるかもしれない」と指摘。英国が2019年にEUを離脱する頃に利上げに着手する必要があるかもしれないとの見解を示した。
英国、ブレグジット前には、離脱を選択すれば、経済が大幅に悪化すると想定されていましたが、現状として、その兆候は見えません。それどころか株価は上昇・インフレ率・賃金の上昇などが見込まれています。
欧州は、このところ、オランダ・フランスとEU維持の方向に選挙結果が出ており、政治リスクが減少しています。しかし、ブレグジットを選択した英国の判断が吉と出るならば、欧州解体リスクは再び浮上するでしょう。
カーニー英中銀総裁の発言を見ると、英ポンド安が、英貿易を支えてており、インフレ率も行き過ぎていると考えている様子。今回の会合では、ブレグジットを金融政策で支援することはできないと語っています。同時に世界経済及び英国の見通しについて楽観的な姿勢を見せています。
・カーニー英中銀(BOE)総裁「弱いポンドが英貿易を下支え」といった見解を示した。英中銀の四半期インフレ報告を受けてのもの。
・カーニー英中銀(BOE)総裁「景気見通しにおいてBREXITが重要な役割を果たす」
・カーニー英中銀(BOE)総裁「世界的に見通しは改善した」「経済成長はしっかり」
英ポンド関係のチャート:GMOクリック証券のFXネオ:2017年5月16日
英ポンド/円、英ポンド/ドル、ユーロ/英ポンド、英ポンド/スイスフランの週足チャート
英ブレグジット後に生じたポンド安が経済の好調を支えている格好。
通貨安による貿易促進で好景気を生むならば、一時的なカンフル剤として政治イベントを引き起こすことで、通貨安を生じさせる政策が流行るかもしれません。(苦笑)
もうひとつ、アナリストの予想って何でしょうということも一部でささやかれています。トランプ政権・ブレグジット・ブレグジット後の英経済・・・3つとも、先に結論ありきで調査や考察がなされた案件なんですけどね。