5月FOMCも終わり、残る年2回利上げシナリオに注目したいFX&株式。ずっと上がり続けるNYダウについては高値警戒感とまだまだ上がるとの論が交錯しています。
米ドル&米経済について、ロス米商務長官が示唆に富んだ発言をしておりますので、今後のシナリオや予想について確認してみます。
米ドル&米経済は減税ありきのシナリオ
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ロス米商務長官は、ロイターのインタビューに答えて様々なヒントを与えてくれています。【米ドルが強すぎるのではなく、他通貨が弱すぎる】というソフトバンクの孫正義氏のような言葉だけではありません。
現在の米株価や米ドルは、トランプ政権の財政政策を先取りして動いています。その根幹となる3%の経済成長率を今年は達成不可能とのこと。
税制・規制・通商・エネルギーなどすべての政策を総動員して初めて到達できると、これもアベノミクス&黒田日銀総裁の異次元緩和を思い出す内容。
米ドル高の問題については、メキシコペソの例を出して回答。トランプ政権とメキシコペソ問題
米貿易赤字縮小を目的としたNAFTA(北米自由貿易協定)が、赤字拡大に繋がる妙な状況。
ロス商務長官は、成長率目標を本年中に達成できない理由について、議会が法案成立に時間をかけていることをあげています。人事の半分も決まっておらず、企業に有利な政策を実施できてはじめて成長率3%を達成できる。
現在の金融市場が掲げるシナリオ
- 法人税減税をはじめとする税制改革⇒年内の実現を期待
- 企業収益が順調に推移
- FRBは年3回=残り2回の利上げを行う
- FRBはバランスシート縮小を年末ごろからスタート
- 長期金利は3%以内
トランプ政権の掲げる3%の経済成長を達成が、株式市場には織り込まれていると考えているファンド・金融機関筋が多い様子。
そのためには、減税を実施しなければいけません。もし、この成立が遅れれば、期待を込めて上昇している株価はあやうくなると思います。
●米NYダウの月足チャート:GMOクリック証券 2017年5月10日
リーマンショックで大きく下げた後は上昇気流に乗ったまま。直近は、ボリンジャーバンドの幅が拡大。RSI及びMACDの高値圏による調整懸念がテクニカル的には想定できるところ。
米株が崩れれば、リスクオフの動きによる円高が考えられるため、FXを利用したドル売り円買いのチャンスを待ちたいところ。
今年、崩れるかどうかはまだ分かりません!
住宅ローン&自動車の売上に注目
また、カナダの住宅ローン会社での取り付け騒ぎが起きていること。ホーム・キャピタル・グループという住宅ローン会社がピンチ。
カナダの証券当局が、ホーム・キャピタル・グループの住宅ローン貸付け業務で、借り手の収入を確認せず、無理な融資を実行していると指摘したことから始まりました。
カナダのバンクーバーでは近年、中国人の不動産バイヤーが殺到しており、去年だけで30%も価格が急騰しました。
バンクーバーでは外国人投資家の不動産投機を抑制するため15%の投資税を導入しました。すると中国人バイヤーはトロントに移動し、今度はトロントで不動産バブルが発生したのです。トロントの不動産価格は3月の時点で前年比+30%の急騰を見ました。カナダ最大の住宅ローン会社で取り付け騒ぎ
ただいま、世界中の大都市は、中国やロシアなどの富裕層が爆買いをしているために、不動産価格が上昇しています。そのために、東京でも不動産は一般の会社員では購入できないレベルにまで高くなっていることは、ニュース等でも報道されています。
国によって住宅ローンの形は様々ですが、ちょっと気になるニュース。
もう一つ、ジョージ米カンザスシティ連銀総裁は、自動車の売上を注視していると発言しています。そこで、自動車販売台数を見ると、減少傾向にあることが明らか。
オートデータが2日に発表した4月の米国新車販売台数(速報値)は、前年同月比4.7%減の142万6,126台となった。4月の季節調整済み年率換算(SAAR)は1,688万台/年だった。1-4月の米国市場の累計販売は545万8,914台で前年同期比2.4%減となった。自動車アナリストは米国の需要は頭打ちになったことが明確になり、2009年以来続いていた前年比販売増が2017年に途切れる可能性が高くなったとしている。自動車販売台数速報
その自動車販売台数は、2017年に頭打ちが鮮明。労働市場の安定・低金利・低いガソリン価格・消費者心理は高いままながら需要が減少しているとの見方が浮上。