2017年4月27日開催の日銀金融政策決定会合は、金融政策の現状維持となりました。
金融政策は、2%の物価目標をめざし、安定的に持続するために必要な時点まで、量的緩和を持続する方針。事前予想通りであり、米ドル/円に大きな反応はなし。
日銀金融政策決定会合後の米ドル/円
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●米ドル/円の動き:1時間足&5分足チャート 2017年4月27日 16:50
GMOクリック証券のFXネオ
ロンドン勢が参加した後に、日銀の金融緩和策維持が少し材料視されて円安に進んだ。
- 日銀の金融緩和政策維持は長期化
- 米FRBは、金利上昇方向
- ECBは、量的緩和縮小が議題に乗りつつある
三者の方向性の違いだけを考えると円安に動きやすい。
経済・物価情勢の展望:2017年4月
- 2018年度までの期間を中心に景気拡大が続く
- 潜在成長率を上回る成長を維持
- 2019年度は、設備投資の循環的な減速と消費税率引き上げの影響で成長は鈍化するも景気は拡大
- リスクバランスは、経済・物価ともに下振れリスクが大きい
- 公共投資はオンリンピック関連需要で増加し高めの水準で推移
- 海外経済は、緩やかに成長率を高める
- 物価が2%程度に達する時期は2018年度頃:従来と変わらず
- 2019年10月の消費税率引き上げは、消費者物価指数(前年比)を1.0%引き上げる(2019年度全体では、半分の0.5%)
日本経済は景気拡大、物価上昇率低下という動きが続いており、日銀リフレ派の言う物価上昇が景気拡大をもたらすという考えとは異なる動きになっています。ここは、もう少し柔軟になってもいいのではと思います。
黒田日銀総裁の会見では、出口戦略の話せず!
注目の出口戦略については、黒田総裁は明言せず。
出口戦略の具体化は混乱を招く恐れあり、物価目標2%を実現することが出口戦略の始りなどと述べるにとどまっています。
先日も岩田副総裁と藤巻健史議員が出口戦略をなぜ出さないかと議論をしていました。黒田・岩田総裁の話を聞いているとシミュレーションをした結果、国民や識者を満足させうる十分な結果が得られていないと予想できます。
企業でもそうですよね。計画を立てるときには、いくつかの予想シナリオを作り、その結果を関係部署に通達して理解を得ておく。そうすることでイレギュラーな事態に対応する。そのシナリオを出せないということは、データ不足か満足できるシナリオが出来ないからの二つに一つ。
FXトレーダーのみなさん、量的緩和の出口戦略・・・本当に危ないのかもしれません。