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米国がシリア政府の飛行場にミサイル攻撃を実行しリスクオフの円高

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2017年4月7日の午前10時過ぎに、米国がシリア政府の拠点に軍事攻撃を行ったとの報道が入り、米ドル/円は、ドル安円高に進みました。

111円手前だった米ドル/円は、すぐに110円半ばまで下落し、さらに下値を伺っています。ちょうど、米中首脳会談の途中で、そちらに神経を傾けていた方も多いでしょう。

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●米ドル/円の30分足チャート:SBIFXトレード 2017年4月7日 11時5分

米ドル円の30分足チャート

米国は、シリア政府の拠点にミサイル攻撃実施

トランプ大統領は、5日にホワイトハウスで記者会見して、シリアで化学兵器が使われたとの疑いに、「一線を越えた」と話しており、シリアのアサド政権に対する政策変更を示唆していました。化学兵器の拡散と使用を防ぐことは、米国の国家安全保障上の責任と義務。

攻撃は地中海の駆逐艦から50~60発のトマホークミサイルを発射。狙いはシリア西部のアルシェラット軍用飛行場(al-Shayrat military airfield)。

同時に、この混乱の原因として、オバマ前政権の対応を批判し、世界中で事態が悪化したと非難。

アメリカのニッキー・ヘイリー国連大使は国連安保理の緊急会合で、幼児が横たわる写真を掲げて「この写真から目を背けることはできない」と語り、アメリカ単独での軍事行動も辞さない決意を示した。ドナルド・トランプ米大統領は、アサド政権が「いくつもの一線」を越えたと非難している。

だが2013年以前に、アサド政権が化学兵器を使用して「レッドライン(最後の一線)」を越えたら軍事介入をする、と警告していたバラク・オバマ前政権も結局、何もしなかった。ニューズウィーク

2013年にオバマ大統領が突きつけたレッドラインは、結局、うやむやに終りました。当時、オバマ大統領の弱腰に対する非難が集まっていたのを私も覚えています。

国連も5日に、緊急会合を開き、米国が化学兵器による民間人攻撃について、シリア及びロシアを非難しています。米国のニッキー・ヘイリー大使が犠牲者の写真を掲げていたのを報道で見た方も多いでしょう。

SNSでインパクトのある写真が与える効果は大きく、化学兵器で殺された犠牲者の写真は、世論を大きく動かすことになりそうです。欧州で大きく難民を受け入れるきっかけになったのも犠牲になった子供の写真でした。

米国のシリアに対する姿勢変化

これまで、トランプ政権は、シリア内戦に関して、ロシアとの共同歩調を取りISを殲滅するという方針を出していました。ロシアが支援しているアサド政権を攻撃対象にはしていません。

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今回は、シリア政府の拠点を攻撃したわけですから、大きく方針が変わったと言えるでしょう。2014年の有志連合による空爆の標的もISでした。

今後、化学兵器使用の懲罰として、ミサイル発射にとどめるのか。シリアのアサド政権打倒まで向かうので、大きく情勢は変わります。

トランプ大統領は、「私には責任があり、その責任を果たす」と話していることから、シリア・北朝鮮などへの直接的な攻撃が加速する可能性があるのではないでしょうか。

4月4日のBBCによる化学兵器に関する報道

シリア北西部イドリブ県の反政府勢力地域で4日に毒ガスによって多数が死亡したことをめぐり、ロシアは反政府勢力が所有する化学兵器から生じたものだと主張した。

ロシア国防省は、シリア政府軍がイドリブ県のハーン・シェイフーンを空爆したことを認めたものの、空爆によって、毒物が詰まった地雷を製造する施設が破壊されたと述べた。地雷はイラクで使用される予定だったとしている。BBCニュース

ロシアの反応は激しいもの

ロシア及びシリア政府は、反政府勢力が使用したもので、シリア政府が使用したわけではないと説明しています。

ロシアはシリア政府を支援していますから、米露協調路線が崩れるのはリスク。トランプ政権は、ロシアゲート事件が起きるのではと言われる程、ロシアとの関係で国内からの攻撃を受けています。

トランプ政権とロシアの蜜月は終るのでしょうか。もし、そうであれば、かなりの対立が生じると思います。

4月7日のミサイル攻撃を受けて、プーチン大統領は、「主権国家に対しての侵略」と米国を非難。シリア上空での偶発的な衝突による不運な事故を避けるために、両軍を結んでいたホットライン合意を停止。

シリアにおける「アラブの春」の民主化運動は、アサド政権の軍事的な打倒を目指す革命闘争へと変質した。「アラブの春」の民主化運動に特有の「緩さ」――政治信条の違いや老若男女問わず、誰でも参加できる巨大な運動としての力――は失われ、一部の血気盛んな人びとによるアサド政権に対する軍事行動が目立つようになった。こうして、シリアは「内戦」へと突入していった。これでわかる!「シリア内戦」の全貌

シリア内戦は、元々、2011年のアラブの春の民主化運動から始まりました。しかし、大国同士の代理戦争の側面・国内の宗教対立・ISの台頭などが生じて、内戦がはじまり泥沼化したのです。

現状、アサド政権が倒れたとしても後を引き継いで平和を導ける勢力はありません。特に西側が望むような民主化勢力はなく、武力重視の勢力ばかり。

ずっと内戦が起きているわけですから、平和と反戦を掲げてシリア統一などできるわけがありません。力を持った勢力が武力統一後に、「もう戦争は終わった」と宣言し、抵抗するなら武力で止めるしかありません。

FXにとって、2017年は戦争や紛争などの突発イベントでの急な動きに注意しなければいけない年になると思います。

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