米ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高投資責任者は、このところの長期金利低下について、安全資産への逃避が行われていると指摘。
トランプ大統領の誕生前後から起きていた長期金利の上昇は一服し、ドイツ国債を筆頭に、金利低下局面が到来しています。ガンドラック氏は、中長期的には、米金利上昇を予想していますが、目先は、10年債金利が2.25%を割り込むとも予想。
各国の10年国債利回り:2017年2月28日
一時は、2.5%を超えた米国債金利、0.5%手前まで上昇したドイツ国債金利は低下傾向。
- 日本:0.04%
- オーストラリア:2.71%
- 米国:2.33%
- ドイツ:0.19%
- フランス:0.88%
- スイス:-0.27%
このリスクオフ&米国金利低下の影響で、米ドル/円も下落。FXトレーダーの多くは、これからの予想に頭を悩ませていることかと思います。
ガンドラック氏の予想によると2.25%近辺が底になりそうということで、もう少しだけ、下がありそうです。
●米ドル/円と日米長期金利の週足チャート:2017年2月27日
GMOクリック証券のFXネオ
2.25%辺りまで下がるとなると米ドル/円の110円割れもありえる状況。
ガンドラック氏の債券市場予想
では、債券市場でリスクオフが優勢な理由は何でしょうか?
ガンドラック氏がウェブキャストやロイターで説明しているところによると。
- ドイツ国債が金利低下を主導
- 欧州での政治リスクの高まり
- オランダ・フランスの政治問題で金価格の上昇
- 投機筋が、金利上昇と読んで大量にショートした債券の買戻し
また、ガンドラック氏は、金利低下の今子氏、米国政府が資金を調達するチャンスと説いています。
40年債からスタートして、可能であれば100年物でも出す良い機会。
中長期的には、金利上昇・インフレの動きになる可能性が高いため、今こそ、米政府の資金調達チャンスと言うガンドラック氏。今年、10年債金利が3%を超える可能性があると指摘。そして、その水準まで上がると株式相場が崩れる懸念ありと指摘しています。
3%突破した場合、確実に株式や住宅市場に疑いをもたれるだろうと・・・
「未来の歴史書では、金利は2012年7月に底を打ち、2016年7月に二番底を打ったと書かれることだろう。」
何も変わらなかったら、7-8月までに何が起こるか。それと金利上昇のタイミングを合わせると、全く異なる心理的環境がやってくる可能性がある。」
トランプ大統領も株式バブル懸念と金利の上昇には懸念を示しています。
また、もし、米国政府が超長期国債を発行した時には、市場との対話に成功できるのでしょうか。これって、良くも悪くもかなりのリスク要因になりそうな気がします。